【wrwrd!】とある一国の非日常【長編小説】 (ページ24)

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#24 ページ24

目の前のフードの男は勢い良く飛び掛ってきた。グル氏を守るようにして俺は前に出て行く。腰に刺していた剣が男の攻撃を防ぐ。

「おっ前…何が目的でこんな攻撃してんねや！」

「なんで…ですか！国王からの命令、というだけで十分でしょう!!」

カキン、と音がする。どうやら男も剣を取り出したようだ。その姿は騎士というよりか武士に似ている。

「お前もフードかぶっとるんか！」

「顔なんて見られたくないものですからねっ…特に貴方達には…！」

「へぇ…それは俺が抱えてるこの姫…Aでも関係してるんかなぁ!?」

あからさまな挑発にも思っていたより素直に応じる男。指がピクッと動いたあたり、A関係なんだなぁと思う。これは使えるかもしれない。

すると、俺の背中に寝ていたAが起きたようだ。そして、俺が話しかけようとAの方を見ると、顔面蒼白、とでも言うような顔をしていた。その視線の先は黒フードの男で。

そんなAの姿を見るなり、くるりと背を向けた男を追いかけようと足を踏み込めばそこにはもう姿形もなくて。Aは何故か、「お兄ちゃん」と声を落とすだけだった。

黒フードの男はAのお兄ちゃんなのか。

分からないけど、今の目的は違う。
あとで聞く必要ができた。

「A？進むで」

「あ、もう降りる…」

俺は目の前のAの違和感だけ拾って、先へ進んだ。
他のメンバーは気にしていなかった見たいやけど、ね？