#3 ページ3
城の深部にある会議室のドアを開けると、早く着いたのにも関わらず数人の人が集まっていた。
「マンちゃ〜ん、紅茶よろしく〜」
「さっきスコーンも焼いたから一緒に出すで？」
「お、オスマンのスコーン？楽しみやなぁ」
既に喧騒となっていた。
集まっていたのは大先生、シャオロン、ロボロ、しんぺい神、エーミール、兄さん。
トントンは情報室から向かっているだろうし、ひとらんは農牧場から向かっているところだろう。オスマンは今会議室横のキッチンだ。となると問題は………
「コネシマか」
どうせ寝てるんだろう。少し頭を抱える。
「あと3分以内に来んかったらお仕置きやな」
「せやね」
「あ、グル氏〜ゾム〜、紅茶と珈琲どっちがええ？」
キッチンからひょこっと顔を出したのはオスマン。小花柄のエプロンを軍服に着用している。なんともアンバランスだ。ちなみにこの城の料理担当はオスマンとシャオロンだ。
「俺は珈琲で」
「俺も」
基本的に抜けた声のオスマンは細かい所によく気付き、尚且つ口が上手いから外交に赴くことが多い。とても重宝するべき存在だ。
「あぁオスマン。お前に頼みたいことがあるんだが」
「ん〜、なんや？」
「後の会議で話すことにするわ」
「お〜」
少し気の抜けた返事をしながら転がすサービスワゴンには人数分のティーセットと珈琲カップ、焼きたてスコーンが。端が少し狐色になっているのが一層食欲をそそった。
目の前にコトリ、と置かれたそれらからは香ばしい香りが漂う。バターや林檎ジャム等と一緒に頂く形だ。
「んで、グルちゃん？」
ニヤニヤしながら俺の方を見つめる大先生。
ぶん殴りたい衝動にかられるのは俺だけだろうか？まぁそこは抑えるけれども。
「あぁ、行こか」
ぶん殴るのは大先生ではない…
コネシマだ←
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩唄 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shioshio/
作成日時：2017年3月26日 12時
