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「いっただっきまぁす!!」
コネシマさんが大声で手を合わせたのと同時に食事が始まった。私は皆が食べてる姿を少し見てみたけど、人それぞれなんだなぁ、とつくづく思う。当たり前なんだろうけど、私がいたところでは皆礼儀正しくっていうか、「規則的」な食べ方をしていたから。
「食わんの？」
私の隣に座っていた紫のマフラーの方に声を掛けられ、「あ、た、食べます！」と情けない返事をしてしまった。一先ず、と思ってお味噌汁を頂く。あまり和食は食べないから少し戸惑うけれど。
「………美味しい」
「ほんま？良かった…」
真っ先に反応したのはシェフ？のオスマンさん。まぁ、当たり前なんだろうな。そして、ちょっと気付いたことだけど。本当に下らないことかも知れないけど。
温かい食事だった。私にとってここまで温かい物は無かった。温かいのは食べ物の温度や室内の気温じゃない。この彼らのいる事、食事から汲み取れる、感じ取れる愛情だった。
私が今までしてきた食事はまるで義務の様なものだったから。
「クロちゃん!?なんで泣いとるん!?」
「わかっ、んない…ですっ！ただ、…あ、たたか、くて…！」
訳分かんないや。
多分意思を汲み取ってくれたであろう、トントンさんが私の隣に来て背中を撫でてくれた。その手はとても大きくて、私が初めて肌で感じた優しさだった。
「あ、りっ、がと、ござ、ます、」
「気にすんなや」
「うむ……食事中に少し話でもしようと思っていたんだが………仕方ないな」
「ご、迷惑を、」
「いや、迷惑などではない。寧ろお前を知るいい機会でもあるからな」
この人、たぶん素直じゃないんだな、と都合の良いことを思ってしまう。でもきっと合ってる。さっき少し悪い印象を受けてしまったけど、あれは業務なんだろうな。
本当の、素のグルッペンさんはどんな感じなんだろう？
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作者名：詩唄 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shioshio/
作成日時：2017年3月26日 12時
