#11 ページ11
連れてこられたのは壁一面コンクリートの部屋。扉を抜けてすぐ急斜面だ。
さっきシャオロンさんが注意してくれたから良かったものの、気を抜いていたら転げ落ちていた。坂を終えればそこはまるでリングのような正方形の場所。スポットライトが眩しく照らされていた。
「ここは一対一の対戦をする場所。ちなみにゾムいたやろ？」
「うん」
「アイツ個人戦で負けたこと無くてなぁ。皆ゾムに相手してもらってるんや」
「え、そんなに強いの？」
「せやで？一人で一師団壊滅させたからな」
一軍丸々の時もあったなぁ、と目の前で普通に喋られる。でも言っていることはかなりとんでもない。私は比較的落ち着いてるんだろうけど、普通なら「殺される」ってなると思う。てか私もなってる。
「じゃあ次の訓練場行くか。次は個人練習のとこやで」
「個人だと何をするの？」
「んー、銃とかツルハシとかで戦う人もいるから、その練習かな」
「ツルハシで？」
「おん。スコップもあるで。でも弓とかも多いかなぁ。グルちゃんは核が好きやけど」
「……危険思想ね」
「まぁ、しゃーないな！さて、着いたぁ！」
その声と共に開かれたのは私らの部屋と全く同じ扉。でも中が全然違う。天井から鎖に繋がれた鉄球があったり。サンドバッグや的は6つずつ。あとは…………
「…………何あの箱」
「ん、あれ？」
私が指摘したのは高さ3m横15m程の個室のようなもの。
正直言って中で何が行われるのかよく分からない。
「あれは中々入らせること出来んから、説明だけな。あれの中は気温が好きに調節出来んねん」
「なるほどね、どんな状況でも良いようにってこと？」
「そ！わ、ちゃんと分かってくれるんや！」
…………そんなに喜ぶことなのかは疑問だけど、取り敢えず良かったな。なんかあれを開発したのは私の服を仕立ててくれたロボロさんみたい。何でも出来るのかな。背は小さかったけど。
「取り敢えずそろそろ食堂行こか」
「そうね、お腹も減ってきたところだし」
「そろそろベルも鳴るわ、丁度良い！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩唄 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shioshio/
作成日時：2017年3月26日 12時
