in the summer３【J.M】 (ページ9)

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それを見つめていた二人が顔を見合わせて驚きを浮かべる。

「小宮山さんすげえ！」

「貴重なおＪが見れてますね、んっふふ」

年下彼女に翻弄される松本の姿は珍しく、二宮と櫻井には微笑ましく映る。
いつもそこまで恋愛の話をしないのに、そもそも今回は最初から違ったことを思い出す。

「アヴァンチュールしちゃったんです？」

「しちゃったんです」

ニコニコの楓に、櫻井が指を天井に向けて「フゥ～！」と騒ぐ。

「一夏かなって、終わるのかなって思ってたからこんな今にびっくりしてます。‥‥潤のこと忘れなくて良かったって」

うっとりと呟くAはその場の誰の目から見ても幸せそうだ。
松本も思わず彼女をじっと見つめてしまう。

「会えて良かったって心底思ってるんです」

「‥‥俺も」

見つめ合って微笑み合う恋人同士にそれ以上言葉は要らない。
二人きりならば好きにやっちゃってー！となる場面だが、今はそうはいかない。
すっかり賑やかし要因の外野になってしまった二宮と櫻井は「んもぅ！」「ほんとすごいな！」とわいわいするしかなかった。

「いやぁ、正直さ、潤くんが去年ハワイ旅行から帰ってきてさぁ、要約すると一生会えないかもしれない恋人ができたとか言うから何かと思ったんだけどね？」

「その通り過ぎて何も言えない的確な表現ですね」

「俺らも何が何だか！ってなったけど、今もわりと何が何だか！って思ってるよ」

「ごめんね、俺らのせいで」

何にも悪いと思っていない顔で謝る松本と、その隣で肩を竦めているAは、どこからどう見てもお似合いだった。
二宮と櫻井は顔を見合わせて苦笑する。

「小宮山さん、こないだも言ったけど潤くんのこと末永くよろしくしてね」

「ストイックな末っ子ですがどうぞよろしくお願いします」

ぺこり、と二人に頭を下げられてAは「末っ子？」と首を捻る。同時に「不束者ですが潤さんを全力で幸せにしていきます宜しくお願いします」とまじめに頭を下げた。
それを見ている松本は、照れたら良いのか一緒に頭を下げたら良いのか、口元に手を当ててにやける頬を押さえるので精いっぱいだった。

「俺が花嫁さんみたい」

「似合いそう」

「ゴッツイ嫁さんだな！」

「流石におＪのドレス姿はキツイよぉ」

散々なことを言い合うすっかり打ち解けた三人に、松本は(会わせて良かったー)と、目を細めて微笑んだ。