in the summer３【J.M】 (ページ8)

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「リーダーまた釣り行ってんでしょ」

「船買う勢いでしょ、あの人」

「相葉さんは実家の用事でどうしても外せないって。めっちゃ残念がってたわ」

「俺ビール飲むわ、ニノは？」

「俺も。小宮山さん、おかわり要ります？」

Aのグラスが空だと目ざとく気が付いた二宮が微笑む。
ビールが好きということと喉が渇いていたこともあり、すっかり飲み干してしまったAも笑う。

「瓶で頼みますか」
「おっ、いいねぇ。小宮山さんイケる口？」
「人並みです」
「ニノ気をつけろよ、Aかなり飲むぞ」
「へぇ、それは楽しみ」
「じゃあ注文するわ」

そうして運ばれてきたグラスを手に、琥珀色の液体の上の白い泡を揺らして、四人は改めて乾杯をした。

「今夜の出会いに」

「うっわ翔さん気障！」

「んだよ、いいだろ別に！」

「まぁまぁ。おＪと小宮山さんの前途に乾杯」

「かんぱーい」

そこからは和やかな時間だった。
個室と言うもこともあったし、松本が一年患っていた恋の病の相手がいることもあったし、二宮としては隣人だが櫻井としては初対面の相手と言うこともあり、話題はどうしてもAのことになった。そして松本との出会いについても。

「あんま話したくねぇんだけど」
「声かけてきたのは潤からでしたよ」
「ちょっとA？」
「びっくりするくらい濃い顔のイケメンだったから、何かと思って」
「おい」
「しかもバーの暗がりでしょ？小宮山さんおＪの顔怖くなかったの？」
「おい、おいニノ」

不機嫌そうに静止する松本のことなどお構いなしに、二宮はニマニマと微笑みながらAを質問攻めにしていく。
その隣で顔を赤くした櫻井も、日本酒片手に「俺も知りてぇです！」と楽しそうに挙手をした。

「翔さんピッチ早くね？」
「仕事終わった後だし、外暑ぃし、飲みたくなんのよ」
「解るけど」
「で？Ｊの顔怖かった？」
「別にそこまでは。ただ見惚れちゃってました」

当時を思い出したのか、照れたように俯くAに、そんなの初耳なんですけどと松本も照れる。
そんな二人に、「なんだよ甘酸っぱいな！？」と櫻井はさらに楽しそうだ。
二宮も、「なんなんですこのカップルは」と呆れている。

「ひと夏のアバンチュールかなって、わりとすぐ私流されちゃって」

さらっと際どいことを言いながらAはグラスに口をつける。
そして松本を意味ありげに見上げてふふっと微笑むから、堪らないのは見つめられた松本の方だ。

「あのねぇ‥‥」

口元を押さえる松本。