【学パロ】君に胸キュン２【詰め合わせ】(J.M) (ページ45)

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「海洋調査って数ヶ月単位とかでしょ？そんなに長いことAちゃんは俺のこと陸地にほっとくの？」

「えっ、あっ、あのそんなつもりじゃ」

「半年とか帰ってこなくて、研究してまた海に出ちゃうの？」

「そこまでは‥‥って言うかそんなの大学生の間はまだわかんないですし」

そう言ってハッとする。
途端に恥ずかしくなって頬が熱くなった。

マツジュンさんは、将来って言った。
それは近い未来じゃなくて、もうちょっと先のこと。
そうだとしたら、それは。

「俺はこの先も一緒に居たいって思ってるから」

俯いた私を覗き込むマツジュンさんの声は楽しそうなのに、瞳は真剣だ。

「そ、そんなのわかんないですっ」

「そうなの？」

「だってまだ将来仕事がどうなるかなんて全然」

「じゃあ」

「っ」

マツジュンさんが私の手を取る。
緊張して汗をかいてひんやりした私の手に、熱っぽいマツジュンさんの大きな手が重なる。

「仕事のことは分かんなくても、それ以外は俺に予約させて？」

「っ！！‥‥‥‥う、あ、ははは、はい‥‥」

消え入るような声になってしまった。
マツジュンさんは楽しそうに満足そうに頷いて、もうちょっと顔を近づけてきた。
わぁぁって思ったら頭上から声。

「節度」

それはやーらかくもきっちりと形を持ったお兄ちゃんの声だった。

ちぇ、とか言いながらマツジュンさんが離れて行く。
私は恥ずかしすぎてお兄ちゃんの方を見れない。

「私っ勉強してくるっ」

逃げるようにリビングに戻れば、酔っ払ってたはずの３人もニコニコ見ていて、もう穴があったら入りたい。ううん、率先して埋まりたい。
その後はお開きになって静かになってお兄ちゃんたちが寝るまで、部屋から出られなかった。

そんな昨夜のことを思い出すと、マツジュンさんのことをまっすぐ見られない気がした。
そんな私の心を知ってか知らずか、また顔を出したマツジュンさんが私には麦茶をくれた。

「今日も暑くなりそうだね」

「図書館は快適ですよ」

そう言って洗濯物を干し終わって室内に戻る。
お兄ちゃんの大量のタオルを洗って山盛りになっていた籠は、今は空っぽで重くもない。でもマツジュンさんが籠を持ってくれた。
さり気ない所作がイケメンだよね。

「Aちゃんは今日も図書館かぁ」

「えっと、はい。最近は司書の方とも話せるようになって別の楽しみもあります」

「そっか、顔見知りになんのか」
そう言ってマツジュンさんは空を見上げた。