【学パロ】君に胸キュン２【詰め合わせ】(J.M) (ページ37)

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「‥‥また、時々でいいから家に来てください。ケーキ買って、松本先生じゃなくてマツジュンさんで、来てください」

「‥うん、Aちゃんありがとう」

「なにが、ですか？」

「あんな酷いこといったのに、受け入れてくれて」

「後で思い出して怒るかも知れないけど良いですか？」

「ふふっ、いくらでも。‥‥ああやべぇ、大野さんに連絡しなきゃ。21時過ぎても見つかんなきゃ警察に届けるつもりだったんだ」

「えっ！？」

「帰ったらきっちり叱られような？」

そう言って笑う顔は松本先生だ。
仕方ないよね、だって未成年がこんな時間に海辺をうろついてるなんて。
きっと物凄く心配かけている。
っていうか、さっきマツジュンさん『みんな』って言ってた。
もしかして、いつもの皆さんもいるのかな。

「‥‥はい」

「そんで、大野さんにAちゃんの気持ちちゃんと伝えよう。多分結構擦れ違ってるよ」

「はい」

あんなにそれが怖かったのに。
今は不思議なほど、気持ちが凪いでいる。
それはきっとマツジュンさんが私を受け入れてくれたから。

それからマツジュンさんがお兄ちゃんに連絡して、私はマツジュンさんの車で家に帰った。
玄関を開けたら仁王立ちしたお兄ちゃんがいて、いつもの二宮さんと相葉さんと櫻井さんがいた。
みんなすっごく険しい顔をしていたけど、私のことを心配してくれてるって解ってたからまた泣けた。
泣きながらお兄ちゃんの胸に飛び込んだ。

ごめんなさいとありがとうと、ずーっと思ってきた気持ちを吐き出した。うまく伝えられたか解らない。支離滅裂だったかも知れない。
それでも、私はお兄ちゃんが好きで、私の犠牲になってほしくなくて、今まで通り自由にいてほしいってことを必死で伝えた。

お兄ちゃんの疲れた笑顔も悲しそうな顔も見たくなくて、頑張ったけどどんどんそんな顔ばっかりさせる自分が嫌だったこと。
だから離れる以外思い付かなくて遠ざけて、それが間違ってたって今なら解ること。

必死に伝えた。
マツジュンさんたちが聞いてたって構わなかった。

何とか全部伝え終わった私に、お兄ちゃんはゆっくり口を開いた。

「ありがとなA、そんなに俺のこと考えてたくれて。兄ちゃん気づかなかった、お前すっげえ大人になってたんだな」

「ううん、私やっぱりこどもだったよ‥」

「うんまぁ、ありがとうってのとあと、馬鹿って言わせろ」

「えっ」

馬鹿って。
確かにそうかもしれないけど。