【学パロ】君に胸キュン２【詰め合わせ】(J.M) (ページ1)

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秘められた温室１ページ1

一人でひっそりと息をひそめて

私のお気に入りのあの場所で

いつか誰かがなんて夢は見ないけど

もしもそんな日が本当にあるのなら

あなたになら、壊されても良いと思った

カーポートに見慣れない車。
いつもはお兄ちゃんのしか停まっていないそこに、大きな黒い車。メーカーもブランドもわからないけど、決して安くはないだろうSUVが鎮座してる。
誰か来てるんだ。
私の知り合いはまず来ないし、免許とれない年齢だし、消去法でお兄ちゃんの知り合いだなって思った。
たまに来る、あのすごく明るい人かな。
それとも、あのいつも新聞読んでる人かな。
それか、あの手品好きの人かな。
お兄ちゃんが連れてきたお友達の皆さんを思い出す。ぼんやりとしか思い出せないけど。

「こんな車じゃなかったなぁ」

玄関の鍵を開ければ、いつもは無い男物の靴が並んでいた。
あれ、複数人？
リビングからは話し声が聞こえる。
あーやだなぁ挨拶しなきゃいけないのほんとやだ。
でもお兄ちゃんに友達連れてこないで何て言えない。
私はまず連れてこないけど。

「ただいま」

そっとリビングの扉を開けると、ソファに座っていたお兄ちゃんがこっちを向いた。

「お帰りA、手洗っておいで、うんまいケーキあるよ～」

のんびりした声。
お兄ちゃんだなぁって思う。
そのとなり、あのすごく明るい人が座っていて「Aちゃーん、おかえり！ケーキ食べよ！」って笑ってる。
食べたいけど部屋で食べるよ。

「マツジュンが買ってきてくれたのマジ旨いべ」

お兄ちゃんの声に首を捻る。
マツジュン？
ここには明るいお兄さん、ええとなんだったかな‥‥そうだ相葉さんだ。その人しかいないのに。

「‥‥マツジュンさん？」
どこに？
きょろっと辺りを見回すと、肩にポンと衝撃。

「こんにちは、Aちゃん。マツジュンさんです」

「っ！！」

後ろから突然声をかけられて飛び上がるほど驚いた。
振り返って、もっと驚いた。
そこに立っていたのはものすごいイケメンだったからだ。
こんな、こんなオールバックが似合う一般人がいるの？ってくらい似合う。
眉毛がちょっと太いけど、きれいな二重に大きな瞳、すっと通った鼻筋と、厚めの唇。肌が白くて、彫りが深い。
はーイケメンだ。思わずほほが赤くなる。だってこんなイケメンなまで見たこと無い。
まじまじとみつめていたら、ふっ、と笑われた。

え、なんで。

「Aちゃんって猫みてぇ」

え、どゆこと。