【学パロ】君に胸キュン【詰め合わせ】(J.M) (ページ4)

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しばらくチョコレートを見つめていたカズが「んふふ」って笑う。
相変わらず眠たそうで何考えてるのかわかんない子犬みたいな瞳で、こっちをじっと見てくる。

「A、潤君にヤマ張ってあげたの？」

「うん、昨日教えてってきたから」

「俺にも教えてくれたら良かったのに」

「聞かれなかったから」

「幼馴染特典無いんですか」

「品切れです」

「っぶふ‥‥ほんとお前ら面白い」

私たちのやり取りを聞いていた潤が肩を震わせている。そのヤンチャな笑顔に、私の心臓がドゥン！！って音を立てる。
ほんとにそんな音はしてないけど、してたらたぶん不整脈とかで倒れちゃうけど、でもそんな気分になるほど潤の笑顔は私の心臓にダイレクトアタックをかましてくる。

好き。
多分今、私の頬は赤い。

カズがチョコレートの包みを開けて、ようやく中身を口に入れた。

「苦くてあまーいねぇ？」

私の方を向いてにんまり笑う、その顔。
私の気持ちを知っているこの幼馴染は、今日も読めない表情で子犬みたいな目をして、口をもぐもぐさせている。

お昼休みになると、私の机の周りは途端ににぎやかになる。
只でさえ潤とカズがいるのに、隣のクラスから相葉君が「一緒に食おーよ！」ってきらっきらの笑顔でやってくるのだ。
私の親友の万葉と郁子も隣にきて、なんとなく大人数でわいわい食べている。
いつもの風景。
いつもの私たち。

潤が私のお弁当箱からいびつな形の卵焼きを奪っていくから、私も潤のお弁当箱からアスパラベーコンを奪っていく。
それを見て、ほかのメンバーがニヤニヤしてるのも、いつものこと。

いいの。
私は今のままがいいの、だって幸せだもん。
潤の一番の女友達って、それってすごいことじゃん。

だってさ、潤はモテる。
顔がイケメンなの。濃いけど、びっくりするほどイケメンなの。濃いけど。
太ましい眉毛も、きれいな二重の大きな黒い瞳も、そこを彩る長くてばさばさの睫毛も、すっきりした鼻も、ちょっと左上がりの厚めの唇も、白い肌も。
もうイケメンなの！格好いいの！！文句無いの！！！

待って私、相当潤の事好きみたい。
みたい、じゃなくて好きなの。
好き、なの。