【学パロ】君に胸キュン【詰め合わせ】(J.M) (ページ28)

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夕ご飯が終わって、お風呂も終わって、帰ってきた母親とリビングでちょっと話をして、部屋に引っ込む。
一応私は受験生なんですよ。
推薦貰えそうだし、そうでなくてもそんなに心配はしてないので、ほかの人に比べたら呑気なもんだけど。
勉強は好き。知識が自分に身に着くのは楽しい。やりたいことはまだ明確じゃないけど、進みたい先があるから頑張ることは苦じゃない。
先生にもう一つランクを上げるか？って聞かれたけれど、行きたい学部は限られているので今のままで突き進むと決めた。
来年の春、ちゃんと一人で立っていられるように。

そう言えばスマホどこだっけ。
さっき使っていたのは‥‥と考えて潤にくだらないこと言われて返信してそれっきりだったと思い出す。
枕の下。
放置プレイに耐え抜いたスマホには、たくさんの通知が来ていた。
ほとんどが潤。あのクールで彫の深いハンサムな顔立ちのくせに、潤は案外さみしがり屋で甘えん坊だ。
本人に言うと怒るし、顔は関係ねぇだろ！って最もなことを言われちゃうけど。

『返事は？』

『おーいA』

『Aちゃーん、怒った？』

『今度はもっと優しく抱くね』

『なんだよほんと‥‥勉強頑張って』

「ぶふっ‥‥うそでしょ潤くん可愛すぎか」

なんなのよ、ほんとに。
いつも君との関係を悩んでるのが馬鹿みたいに感じる文面に、笑いをこらえ切れない。
訳が分からないよね本当に。
潤、なんであなたは私を選んだの？
他に好きな子がいるのに。
見てたら判ったよ。考えてたら解ったよ。
あの夜、あなたがその気持ちを伝えたかった相手って、あの子なんだよね。

潤の文章が可愛いからほっこりする心と反比例する切ない想い。

『ご飯作ってお風呂入って勉強してたの、ごめんね』

すぐに既読が付くから尚更笑ってしまう。
もしかしてずっとスマホ見てた？たまたま？
どっちでもいいよ、なんだか嬉しくなるから。

『おっせぇし！
　またAのご飯食べたいな』

『じゃあ明日は無理だけど明後日お弁当作ろうか？』

『マジ！？じゃあカニクリームコロッケ！！』

『朝から面倒なの頼みよる！受験生に！』

『ヨユーなんでしょ、ニノから聞いてる』

『カズが私の何を知ってるって言うんだね』

『何キャラだよ』

いつも終わらなくなっちゃう潤との軽口の応酬は、最後に『じゃあ勉強するね』『がんばれ』で終わる。
不思議な感覚。
本当の潤の気持ちはどこにいるんだろう。