優雅な朝 ページ9
「いらっしゃいませ、小宮山様、お久しぶりです」
「お久しぶりです、今、良いですか？」
「はい、お席にご案内いたします」
「二階の窓側が空いていればお願いしたいんですけど‥」
「かしこまりました、足元お気を付けください」
涼やかな声のあの男性スタッフは落ち着いた笑顔でAを迎えてくれた。
土曜日の朝七時過ぎ。
普段の通勤時刻よりも早く家を出て、Aはあのカフェにやってきた。気分転換にちょっとお高い雰囲気を楽しむのもいいだろうと思って。
ビルの二階分のフロアをぶち抜いた作りになっているこのカフェは、二階にも席がある。一階を見下ろすぐるりとした回廊に沿って席が点在している。
ちなみに一番奥にはVIPルームが三つあると言う。
個室と言うだけでイメージがヤラシイので、その存在を松本に話を聞いた時次のネタにしようかなとちょっと前にAは思ったし、実際ネタにしたのが今回の新刊だ。ヤラシイ展開にはなっていないけど。
(梅雨明けは火曜日っていうけどなんかもう明けてそうな空だなぁ‥)
Aが家を出た時まだうっすらと曇っていた空は、現在まっさらに晴れ渡っている。ビル群の中で見える範囲でだが。
家に帰ったら布団でも干そうかなぁなんて思いながら、ストレートの紅茶を口に運ぶ。アツアツのサンドイッチも一緒に並んで、見ているだけでAの心はワクワクした。
土曜日の早朝、店内の人影はまばらだ。
金曜の夜に羽目を外して起きられない人がたくさんいるのだろうかと勘ぐってしまう。
耳に届くか届かないかの静かなジャズが流れて、ささやきのような人の声がところどころから聴こえて、Aは(やっぱりめっちゃイイ、ここ‥)と一人がけのソファに背中を預けて力を抜いた。
内装から、調度品、天井の隅に至るまで行き届いたデザインにうっとりとする。
(初めて来たときは緊張してそれどころじゃないかったけど、本当に素敵なところだなぁありがとう松本‥‥、‥‥ああもう)
考えないようにしていたのに。
優雅な朝なのに、どうにもこうにも気がつけば松本のことを考えている自分がいる。
この店にAが来れるようにしてくれたのは松本だし、彼としか来たことが無いのだからこの場所で彼を連想するのは仕方ないこと。
なんだよもう熱烈なファンか！ といつも通りの脳内ツッコミをしつつソファから体を起こす。
気を取り直し視線を一階に向ければ、静かな店内が見渡せた。
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お塩(プロフ) - plut49plutさん» 『なんか、違うんだよな…』と私の中で疑問が生じてしまい完全に止まっています。修正して完成させたい気持ちはあるのですが、いつになるかと問われると正直わかりません。が実情です。続きを気にしてくださってありがとうございます！ (2023年2月10日 8時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - こんにちは、お塩です。こめんとありがとうございます！お返事遅くなってすみません。このお話、実は８割方出来上がっているんです…ただ、ハマりたてで彼らのキャラクターや性格をあまり知らないまま書いていたので、今になって（続く） (2023年2月10日 8時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
plut49plut(プロフ) - はじめまして。こちら「どうしてこうなった！」の更新予定はありますでしょうか。 (2023年2月4日 13時) (レス) id: 8fab10a4af (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - shiさん» shiさんコメントありがとうございます！お塩です。名字呼び捨てのヒロインって中々いないよなと思いつつ体育会系と言うか高校生みたいなノリもいいよなと思って始めてみました(笑)Ｓさんもまだまだ色々ありますので、是非楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2021年10月11日 11時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - 初めまして。主人公の松本呼びやSさんの行動が読んでいてワクワクしました！！次回の更新楽しみにしています！ (2021年10月10日 10時) (レス) @page23 id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年10月6日 1時
