＊ ページ18
ぼろっと零れ落ちた涙が声を殺して泣く潤くんの瞳から零れ落ちて、テーブルにぽたぽたと小さな水たまりを作っていく。
「なんかさ、すんげぇ愛が深いよねAちゃん。きっと、ずーっと松潤のこと大切に想ってたと思う」
コクンと、潤くんが頷くたびに涙が落ちる。
俯いて唇を噛み締めて背中を震わせてる潤くんをポンポンと撫でて、大野さんは優しく微笑んでいた。
「ほんとお前はしょーがねぇ末っ子だなぁ」
「‥うっせ」
「Aちゃんがさ、今まで松潤にくれた沢山のもの、ちゃんと大事にしろよお前」
「解ってる‥」
ズズッと鼻を啜って潤くんが顔を上げた。
目は真っ赤になってて涙はまだ落ちてくるけれど、びっくりするくらい強い瞳が相変わらずのイケメンぶりに拍車をかけて、ああこれが潤くんだなって今更ながらに俺に思わせた。
「もう会えないってことは無いって思うけどね、だって好きって気持ちだけ残して行っちゃうんだから、いつか引き取りに来るよ」
「‥どういう意味よ？」
「智っさん、それはＪには伝わんないっすよ」
「ええー、松潤は女心わっかんねぇ男だもんなぁ」
「なんだよもう、馬鹿にすんなっての」
やっと、弱弱しく笑った潤くん。
涙を袖で拭ってグラスに口をつけた。
「‥‥寝ても覚めてもっつうけど、マジでアイツのことしか考えらんなくて頭おかしくなりそうだったから、ほんと今日はありがとうリーダー、ニノ」
そうして笑った、俺らの好きな末っ子潤くんは、つきものが落ちたみたいな顔をしていた。
Aちゃんは福岡に行っちゃって、実際は何の解決にもなってないかもしれないけど、一つ気持ちが落ち着いた潤くんは自分の中で指標みたいなもんが出来たようだ。
そこから三人で呑んで、途中でやっぱり大野さんは姿を消した。
Ｊはちょっとタガが外れたみたいに呑んでて、そんでほぼ潰れた。
え、待って。ここのお会計ニノちゃん持ち？ マジで？
今度二人に請求しよう、そうしよう！
そんな気持ちで会計したら、全くあの人は。自分が帰った時点の全額と、恐らくそこから俺らがまだ飲むであろう金額を払っておいてくれていた。
カッコいいねぇ、流石リーダー。
でも、酔いつぶれた潤くんを運ぶのは一苦労だったから、やっぱ逃げたなあの人。
そうしてなんとか潤くんを引きずるように連れてって、その玄関で、俺は彼の愛を垣間見た。
靴箱の上に無造作に置かれたキーホルダー付きの合鍵。
Aちゃんのための。
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ゆかり - 潤君素敵です (2022年9月11日 17時) (
レス) @page44 id: c109875420 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - いくさん» いくさんコメントありがとうございます！えっえっニノ担さんですか！私はＪ担推しでニノを宗教だと思っている人間ですので、ニノ担の方に好きになってもらえるなんて最高です！！ありがとうございます！！別ページに幸せな結末もあるのでもし宜しかったらそっちも是非！ (2021年10月31日 20時) (レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - 悲しくて泣きながら読んでました。お塩さんのお話し読んでから、ニノ担でしたが、Jが大好きになっちゃいました。 (2021年10月31日 19時) (レス) id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - りえさん» りえさんコメントありがとうございます！すみません、すぐ分かるあそことは『世界は二人のために色づいて』というハピエンページです！ハピエンページということは、そういうことです！是非是非いってらっしゃいませです！！ (2021年10月31日 18時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - くるしい、かなしい、と思いながら読みました。でも「多分すぐわかるあそこ」が分からない…どこなのでしょう。 (2021年10月31日 17時) (レス) @page29 id: 99c0de9694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月1日 22時
