＊ ページ12
「本当に大事にしたいもん、見誤るなよ」
「‥‥ご忠告どうも。だけど俺とAはマジでそんなんじゃないから。‥‥ただ、まぁ気を付けるわ」
俺の言葉に全くこれっぽっちも納得してない様子の大野さんは、フンッと鼻を鳴らした。
だけど、「俺もごめんな、熱くなっちったわ」といつもの気を抜いた様子で椅子に座り直した。
詰めていた息を吐きだしたのはニノだった。
「なんなんですあなた達、マジ一触即発過ぎてヤバいし」
「ごめんニノ〜」
「うわ！ くっつくんじゃないっての！」
さっきまでの雰囲気なんてきれいさっぱり消え去った大野さんがニノにくっついている。距離感おかしくないか。
俺も「ごめんごめん」と言いつつ、頭の中も腹の中も言いようのない感情がぐるぐるして、今どんな顔で会話してんのかわからなかった。
多分、もうずっと、リーダーは言いたかったんだと思う。
俺とAの関係を、メンバーは知っているから。なんなら一緒に家で飯食ったことも、飲みに行ったことも何度もあるから。
――この12年間。
20歳の同窓会で再会して、そこからなんやかんや世話焼きのAと末っ子気質が強まった俺は、元々の関係性も相まってあっという間に距離が縮まった。
だけどそれは、姉と弟みたいな。
男女って空気じゃなくて。
Aは優しい。
いつだってフラットでニュートラルだ。
結構浮き沈みしたり悩んだりする俺をまっさらに受け止めてくれる。
最初は店で飲んで愚痴を聞いて貰っていたのが、部屋にあげるようになって。
メシ作ってもらったら美味しくって、呼び出すようになって。
そのうち諸々のやり取りが面倒になって合鍵を渡して、そこからはもうなし崩しに身の回りの世話を焼いてもらったのは事実。
俺が散らかしても、機嫌が悪くても、いつも「しょうがない潤だなぁ」って笑って。
あったかくて美味いメシと、灯りの付いた部屋と、用意された風呂と、整頓された室内と――
Aの笑顔が、いつだって俺を俺に戻してくれた。
どんな時でもいつも通りなAに安心しきって、勝手に拠り所にしていた。
いつだったか言われた
「潤は地上の星だね、一等星！ 嵐のみんなそうだけど、潤は一番キラッキラだね」
って言葉がやけに胸に残って。
それならA。
お前は俺の北極星だよ。
いつだってどんな時だって変わらずそこに在って、俺を俺に導くただ一つの小さな光。
だけどそんな重い感情、悟られたくなかった。
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ゆかり - 潤君素敵です (2022年9月11日 17時) (
レス) @page44 id: c109875420 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - いくさん» いくさんコメントありがとうございます！えっえっニノ担さんですか！私はＪ担推しでニノを宗教だと思っている人間ですので、ニノ担の方に好きになってもらえるなんて最高です！！ありがとうございます！！別ページに幸せな結末もあるのでもし宜しかったらそっちも是非！ (2021年10月31日 20時) (レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - 悲しくて泣きながら読んでました。お塩さんのお話し読んでから、ニノ担でしたが、Jが大好きになっちゃいました。 (2021年10月31日 19時) (レス) id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - りえさん» りえさんコメントありがとうございます！すみません、すぐ分かるあそことは『世界は二人のために色づいて』というハピエンページです！ハピエンページということは、そういうことです！是非是非いってらっしゃいませです！！ (2021年10月31日 18時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - くるしい、かなしい、と思いながら読みました。でも「多分すぐわかるあそこ」が分からない…どこなのでしょう。 (2021年10月31日 17時) (レス) @page29 id: 99c0de9694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月1日 22時
