＊ ページ11
ふと視線を感じて顔をあげると、ニノが俺を見ていた。
「なに」
「潤くん彼女できたの？」
「‥‥なんでだよ」
「顔がにやけてんですよ、あなたわかりやすいから」
毎回ニノに真っ先にバレる。
彼女ができた時も、別れた時も。
そんなに俺の顔に出てるか？ って片手で頬をぐにぐに揉むと「んふっ！」って大野さんが噴き出した。
「松潤かわいいなぁ」
「は、はぁ！？ 何言ってんの大野さん」
「ついにあの幼馴染ちゃんと付き合った？」
「――はぁ？」
Aと？
なんでそーなんの？
俺のポカンとした顔を見て、ニコニコしていた大野さんが真顔になる。
「違うの？ 幼馴染ちゃんじゃないの？」
あまりにまっすぐに、そして柔らかいのに強い言葉にたじろぐ。
っていうか、なんで大野さんにそれを言われるのか解からなくて。
「え、なんでAが出てくんの？ あいつはそれこそ幼馴染だからそんなんじゃ」
解らない振りを、したくて。
「そんなんじゃない子に、合鍵渡して身の回りの世話させてんの？」
「身の回りの世話って‥別にお手伝いさんとかじゃねぇし、毎日じゃねぇし」
「だよね？ 彼女いない時だけ都合よく使ってんだもんね、お手伝いさんのが健全だわ」
「‥‥大野さんそれ以上はやめてくんない？ つうかなんで今その話？ Aのこと大野さんには一切関係ないよね」
俺と大野さんのただならぬ雰囲気にゲームをしていたニノがソファにしっかり座っている。何を考えているのか解らない読めない瞳で。
「関係ないけど、ある。だって松潤は大事なメンバーだ。その松潤が大事にしたい子を大事にしてないのは問題じゃん」
「は――？」
意味がさっぱり解らない。
俺が大事にしたい子を大事にしてない？ ってなんのことだよ。
俺が大事にしたい子って、それは今の彼女だろ？
大野さんの言いたいことがさっぱり見えなくて、俺は今度こそ言葉に詰まった。
「あのさ、自覚してんのか知らんけど、いい加減にやめた方が良いよ松潤」
「‥なにを」
「もう何年よ。いびつな関係はそのうち破綻する、ぜってーに」
大野さんの目は厳しいのに、口調は穏やかだ。
「いつまで続けんの？ もう自由にしてやんなよ、AちゃんにはAちゃんの人生があんでしょ、お前にお前の都合があるように」
言われなくても、解ってんよそんなこと。
俺とアイツは別々の人間で。
別々の人生が今までもこれからも有るってこと位、嫌になるほど。
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ゆかり - 潤君素敵です (2022年9月11日 17時) (
レス) @page44 id: c109875420 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - いくさん» いくさんコメントありがとうございます！えっえっニノ担さんですか！私はＪ担推しでニノを宗教だと思っている人間ですので、ニノ担の方に好きになってもらえるなんて最高です！！ありがとうございます！！別ページに幸せな結末もあるのでもし宜しかったらそっちも是非！ (2021年10月31日 20時) (レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - 悲しくて泣きながら読んでました。お塩さんのお話し読んでから、ニノ担でしたが、Jが大好きになっちゃいました。 (2021年10月31日 19時) (レス) id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - りえさん» りえさんコメントありがとうございます！すみません、すぐ分かるあそことは『世界は二人のために色づいて』というハピエンページです！ハピエンページということは、そういうことです！是非是非いってらっしゃいませです！！ (2021年10月31日 18時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - くるしい、かなしい、と思いながら読みました。でも「多分すぐわかるあそこ」が分からない…どこなのでしょう。 (2021年10月31日 17時) (レス) @page29 id: 99c0de9694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月1日 22時
