松本潤さんのです ページ9
『えっと、すみません。確認なんですが、あなたが持っているスマホは』
「松本潤さんのです」
酔っぱらって前後不覚になって行き倒れている男の名前を口にすれば、大きな大きな溜息がスマホ越しに鼓膜を揺らす。
大きすぎてノイズ交じりだ。これはきっとこの人結構怒ってるぞと、他人事ながら彼女は思う。
『‥‥本人は』
「私の足元で酔っぱらって倒れています。というか、路地で行き倒れています」
『はっ！？ えっ！？ ‥ま、待ってどこですかそこ』
「ええと」
簡単な地名と近くのコンビニを告げると、うーわー‥という声が聴こえた。
『すみません、もしかしてでもなく、あなたが』
「介抱しています。ええと、救急車もタクシーも嫌だと仰られて、スマホを渡されてあなたにかけてほしいと」
『ああ、そこに僕が』
「はい、ちょうど掛けてきてくださったので」
『なるほど‥‥すみません、今から僕そこに向かうんで大変申し訳ないんですが‥‥』
言い淀んだ相手が何を言いたいのか察知するのは、社会人として必要なスキル。そして相手の望む答えを返すのは時として大事なのだ。
「――解りました、待機してます」
『あーりがとうございまっす！！ でもあのこんな時間で大丈夫ですか。こっちから頼んでおいてなんですが』
スマホ越しでも伝わる気づかいの声音に、思わず笑みが浮かぶ。
「大丈夫です、家もここから近いので」
『わぁっかりました。本当にすみません、ええと30分、か40分‥‥本当にすみません今すぐに向かいますんで』
「はい」
真っ暗になった画面を見つめてから、足元に視線を落とす。
いつの間に身体を起こしたのだろうか。うっすらと開いた瞳がこちらを見上げていることに気がついた。
「連絡着きましたよ、これから来て下さるそうです。ええと、二宮さんが」
「‥‥あの、マジ、すみません」
「良いですよもう、乗り掛かった舟ってやつなので」
時計を見れば午前一時を回っていた。彼女は明日休みで良かったぁぁと心の底から思う。
ここ二日のほぼ貫徹の日々を思うと、これは最後の試練か、それともご褒美か。
「あの、一応確認なんですけど、松本潤さんであってますよね、嵐の」
「‥‥です、すいません」
「何か前にテレビでお酒長いみたいな話聞いたことがあるんですけど」
「あ、あー‥‥ほんと、きょうは、飲み過ぎて、‥‥映画の打ち上げで‥‥‥すみません」
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お塩(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさん、コメントありがとうございます！えっ、ヒーちゃんさんも夢落ち潤担さんですか！？そんな偶然があるとは驚き過ぎて笑ってます。続きは実はできてるので、修正しつつそのうちページ作りますね！ゆっくりお待ちください！ (2021年9月22日 15時) (
レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん(プロフ) - お塩さま、作品を楽しく拝見させて頂いております。夢堕ち潤担！私もです( ・∀・)ﾉ﹛ﾊｰｲ!何だか嬉しく思いました。続きも心待にしております。 (2021年9月22日 2時) (レス) @page28 id: af081d03e4 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさんありがとうございますっ！私の中ではむしろ一番古い話なので不思議な気分です(笑)創作意欲ばっかり溢れて実際は空回りですよ‥‥ふへへ。いつもゆぃさんに励まされてます！ほんとにありがとうございますー！！ (2021年9月1日 12時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - - ここにきてまさかの新作とは！驚きです！！お塩さんの書きたい意欲が凄い♪無理しないでくださいね~ (2021年8月30日 14時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 1時
