春物 ページ13
「いやこれ春物ですよね」
「っていうか最近昼間はあったかいし、多分最近おろしたんじゃないですか」
「わぁー詳しいんですねこわい」
「ちょ、その感想」
「ひどい。さっきも、思ったけど、お姉さんひどい」
女物のコート見て春物って言ってみたり、最近の気候から下ろしたてだと読んでみたり。
なんだろうこの色んな意味で手馴れている感じ。やはり芸能人なのだと改めて感心する。
プロファイリングがうまくてドキドキする。
「まぁそうなんですけど‥‥ただ本当に大丈夫です。見返りが欲しくてしてるわけじゃないので」
えっと言う顔をされてしまう。
心外だと彼女はちょっと思う。松本にはさっき言った気がするのに。
まぁ酔っ払いはあんまり人の話を聞いていないのは定石なので構わないと彼女は思う。
「乗り掛かった舟です。それに助けるならしっかりと、と思ったので。松本さんが風邪ひく方が本気で後味が悪いから」
「‥‥すいません、俺‥」
しゅん、とした姿はまるで大型犬。猫の印象だったんだけどなぁなんて笑ってしまうと、不思議そうな顔がこちらを見ている。
何だろうこの時間は。
眠くて疲れ切ってて寒いのに、あまりの非日常がやっぱり楽しいからもうちょっとって思ってしまう。
「本当に気にしないでください。松本さんはもうお酒気を付けて。強いて言うなら第一発見者が私で良かったですね、としか」
「ほんとにな、潤くん感謝しまくらないと」
「本当にこのたびは」
「あの、終わらなくなっちゃうんで」
「あ」
時刻は午前二時。これっぽっちも全く大丈夫ではない。
スマホ画面を見せれば、二宮がさらに頭を下げたがもうやめてほしい。
引き取り人が来たことでどっと安心して疲れが押し寄せてきてしまった。
「あの、マネージャーが車持ってきてるんでお姉さん送ります」
「マネージャーさんも二宮さんも大変ですね‥‥こんな時間まで‥‥」
「ははは‥‥いや、こいつがちゃんと帰ってれば」
二宮に指さされた松本は再び頭を下げた。
「本当にすみませんでした、お姉さん」
「松本さん、大丈夫ですか」
ずっと座って話を聞いていた松本が立ち上がる。女性としては高身長な彼女だが、やはりこうして立ってみると松本は大きいなぁと思う。
「大丈夫‥‥お姉さんのおかげでかなり楽です」
「そっかぁ、良かったです」
告げる口調がだいぶしっかりしていたので、ようやくほっとする。
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お塩(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさん、コメントありがとうございます！えっ、ヒーちゃんさんも夢落ち潤担さんですか！？そんな偶然があるとは驚き過ぎて笑ってます。続きは実はできてるので、修正しつつそのうちページ作りますね！ゆっくりお待ちください！ (2021年9月22日 15時) (
レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん(プロフ) - お塩さま、作品を楽しく拝見させて頂いております。夢堕ち潤担！私もです( ・∀・)ﾉ﹛ﾊｰｲ!何だか嬉しく思いました。続きも心待にしております。 (2021年9月22日 2時) (レス) @page28 id: af081d03e4 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさんありがとうございますっ！私の中ではむしろ一番古い話なので不思議な気分です(笑)創作意欲ばっかり溢れて実際は空回りですよ‥‥ふへへ。いつもゆぃさんに励まされてます！ほんとにありがとうございますー！！ (2021年9月1日 12時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - - ここにきてまさかの新作とは！驚きです！！お塩さんの書きたい意欲が凄い♪無理しないでくださいね~ (2021年8月30日 14時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 1時
