【ハイキュー】迷い込んだ悪女さん【悪女主】

「作戦成功」 ページ22

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ー放課後





『あ、祐子〜。持ってこれた〜？』





誰もいない夕焼けの空がちらつく。






私の席は、丁度日が当たるところで、どうしても影ができてしまう。







…これが命取りになるなんて…ね。






　
高嶺「…持ってきたわよ。はい、これ」







そういって祐子が取り出したのは、薄ピンクの花びら模様のハンカチ。







『はっ、キャラにあってんね〜』







笑う私を横目で見て、祐子はため息をついた。







高嶺「どうすんのよ、それ」










『返す』





高嶺「はっ？」







祐子は間抜けな声を出した。




折角整った顔なのに、今は最高に不細工。






高嶺「は、返すって…。私がどんな気持ちで取ってきたと思ってんのよ！」






『もー、ちゃんと人の話は最後まで聞かなきゃ…ね？』






そういうと祐子は黙った。






『このハンカチを部員たちの目の前で返す。そしたら好感度もあがるじゃん？』






高嶺「そんなののために…」



『それに』






祐子の言葉を遮った。






『早いうち返しといた方が、事件になんないでしょ？

何事もプラスに考えよー』






高嶺「………」







頭いいと思わない？




部員たちの前でお姫様を助けてあげるの。





元々好感度はいいし、これはもう勧誘されちゃうんじゃない？






高嶺「はぁ、失敗したら許さないからね…。



そもそもねぇ！」





そういって話を続ける祐子を適当に流しておく。






ｶﾞﾀｯ





『！』





人の気配は元々していたけど、もしかして聞かれてる…？






私たちの話を聞いてるってことは、バレー部の可能性が高い。






祐子は気づかず話を続ける。





…バカか頭いいのか分かんないな、この子。







さぁて、話を聞いてる悪い王子様は誰かな？






…あぁ、なんだ。君か








君は、私と望月花音。どっちを選ぶ？



どちらを選ぼうと、君の勝手。








…でも、私のお気に入りの君なら、私の元へ来てくれると信じてるよ。








私はフッと笑うと、まだ一人で話している祐子に言った。








『これからが、本番だよ＿＿＿。』







私の言葉に、祐子は怪しく笑った。








いい顔できるようになったじゃん。









私と祐子の手を取り合う影が、眩しい日の光によって、影となって出来上がった。











＿さぁ、君はどう動く？













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