「聡明な作戦」 ページ18
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『今考えると相当キモいよね。祐子ちゃんって』
高嶺「今更気づいたの?」
『まぁ、私のキャラを守るためにはあそこまでしないとね?』
高嶺「あっそ。」
冷たいなぁ、笑いながら言う。
日々意識して演技しないと、ボロが出てしまう。そこら辺の悪女と私の格が比べられないほど違うのは、そこの違いじゃない?
私が笑ったのを境に、無言の空気が流れた。
きっと、私が話す空気の重さを、彼女は分かっているようだ。
『でさぁ、本題なんだけど』
私の話し方が変わったからか、祐子は肩を震わせた。
『望月花音の私物盗んできてよ』
高嶺「…はっ?あんた…正気?」
『私はいつだって正気だよ』
望月花音の私物を奪わないと、この作戦は成功しない。
高嶺「そんなの自分でやりなさいよ!バレたらどうなるか分かってんでしょ!?」
流石の祐子もイラっときたのか、キレてきた。
『まぁ、バレたら即退学…ってところじゃない?高校は義務教育じゃないからポイッとね』
そういった途端に頬に衝撃がはしった。
高嶺「あんたっ…」
祐子が殴ったのは、一目瞭然だった。
私と祐子にはまぁまぁの身長差があるから、その分衝撃は強い。
そのせいで、頬がビリビリする。
お風呂入ったら染みそー…。
そんなことを思いながら、ポケットに入れていたスマホで頬を中心に写真を撮った。
高嶺「な、なにしてるの…?」
『ねぇ、祐子。
怒るのは分かるけどさぁ、あんたは私に頼みごとをしてる立場なんだよ?』
ゆっくりゆっくり、小さな歩幅で祐子の近くに行く。
祐子は適切な距離をとるために、後ずさる。
私はどんどん祐子との距離を縮める。
距離にも限界はあるわけで、祐子は壁の方まで行ってしまった。
少し青ざめた顔で私を見てくる。
あーあ。いつもの強気な生意気お嬢様はどこにいったんだか。
私はそんな祐子の腰のとなりに足をドンッと置いた。
『いーい?祐子は私を叩いた立場なの。証拠もある。退学とまではいかないけど、周りにどう見られるか分かる?
私の信頼度、一番知ってるのはあんたでしょ?』
私の信頼度を使って、祐子の手助けを数えきれないほどしてきた。
今回の件だって…ね。
この作戦といい、望月花音への作戦といい、
なんて聡明な作戦なのだろう。
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推しが大好きすぎて辛い人 - メレンゲドールさん» え!ありがとうございます、!! (7月19日 23時) (レス) @page34 id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
メレンゲドール - めっちゃ面白かったです。お店で売ってるやつみたいだったです。 (6月14日 20時) (レス) @page33 id: 8eb40be3b6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが大好き過ぎて辛い人 - あきの まことさん» 可愛いイメ画、ありがとうございました😊 (2023年3月25日 23時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
あきの まこと(プロフ) - 推しが大好き過ぎて辛い人さん» ありがとうございます!早速リンク貼りますね。高嶺ちゃんhttp://uranai.nosv.org/img/user/data/d/4/e/d4e8991851c2cd1abfae6c69848ac9a6.png望月ちゃんhttp://uranai.nosv.org/img/user/data/4/6/c/46cbd6d17045a0e4057cde61cb45ac8f.png (2023年3月23日 19時) (レス) id: 487f5967e6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが大好き過ぎて辛い人 - あきの まことさん» え!!是非是非!!篠原ちゃんと一緒に紹介したいです!✨ (2023年3月23日 18時) (レス) id: 9f1f8db22f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しが大好き過ぎて辛い人 | 作成日時:2022年7月10日 23時