鬼灯の冷徹小話集☆その六 (ページ42)

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鬼灯「そこから先は私がお話しします」

いつの間にかそこにいた鬼灯

鬼灯「本当、あの宴ほど地獄だと思ったことはありませんよ」

思い出したのか、嫌そうな顔をする彼

鬼灯「好きな人には“興味がない”と言われ、何でもない人にはわらわら寄られ…」

はぁ…と疲れたようなため息をつく鬼灯

鬼灯「Aさん、よくもあんな最悪の日にしてくれましたね」

言いたいこと山ほどあるぞ、と言いたげな顔だ

鬼灯「…逆行前の方が良かった…」ﾎﾞｿｯ

貴女「…！なぜそれを…」

獄卒「逆行？」

首をかしげる獄卒

逆行のことを知らない彼には訳が分からない

貴女「鬼灯さま、ちょっとこっち！」

Aは鬼灯を引っ張り、小声で話した

貴女「なぜそのことを…」

鬼灯「やはり逆行していましたか」

しまった、カマかけられた

鬼灯「私も、逆行前の記憶はあります」

貴女「な…！」

鬼灯「貴女が誰かに殺されたと聞いたとき、頭が真っ白になった私は、迷わずアレを使いました」

《時戻しの時計》

地獄アイテムのひとつで、懐中時計の形をしていて

戻したい分針を戻してリューズを押すと

その時間に戻れるのだ

そして、陰ながら、彼女を守ろうと決めたのだ

しかし今度は宴の席での「興味ない」発言

これなら、まだ好意が見えていた

前の方が良かった、と彼は思ったのだ

鬼灯「貴女が興味ないというなら、興味持つまでつきまとうまでです！」

存外、鬼灯は諦めが悪く

何が何でもAとくっつきたいと思った

たとえ何度時を戻そうとも

彼女との幸せな未来が来るまでは

獄卒「(それ…ある意味ストーカー…)」

鬼灯の叫びに、苦笑する獄卒

貴女「…鬼灯さま」

鬼灯「“鬼灯さん”と…前のように呼んで下さいよ…」

距離が近かったあの時のように

貴女「…鬼灯さん」

鬼灯「よろしい」

満足げな鬼灯

鬼灯「もし何かされたら、私にこっそりチクリに来なさい」

貴女「…あはは」

鬼灯「それとAさんは今日は上がりです」

先ほどの獄卒にそう言う鬼灯

鬼灯「“興味ない”と、もう言えないようにして差し上げます」

それをだいぶ引きずっていた鬼灯

Aを抱えて部屋に向かう

そのあとは…二人の秘密だ

アイテムにつきましては
ありそうだなと思ったものを…
前読んだ「アンダーワールド」というマンガに似たものがあったので