小話 興味持って〜鬼灯〜 ページ41
貴女「だから違うんだって」
Aはそう弁解していた
まわりの鬼女たちに、鬼灯に気があるのかとか
色々言われていたからだ
なぜこんなことをしているのか…
実は…
Aは以前は、確かに鬼灯が好きだった
しかし、それに気づいた他の鬼女に
嫌がらせされ、あげく殺された
なぜか時が巻き戻り、
あんな思いをもう、したくないと思った彼女は、
貴女「(ならば、“あなたに興味ありません”と印象づければいいんだ!)」
と、なぜかズレた方向に向かった
大王「Aちゃん、今日は飲み行ける?」
貴女「まぁ時間はありますが…」
閻魔大王のおごりかな、となんとなく思っていたら
鬼灯「私も行きます」
と、鬼灯が言った
大王「あれ?珍しいね」
飲み会を嫌がる鬼灯が、珍しく来るという
まぁいいや、と思いつつ、飲み会に向かう
シロたち、動物獄卒もOKの場所だ
酒が進み、始まるのは、閻魔大王の質問
大王「そういやAちゃん、好きな人とかいないの?」
前は鬼灯が好きでした、なんて言えない
貴女「特にいません」
大王「鬼灯くんとか、どう?」
本人の前で言う
人はこれを公開処刑というが
彼女にはむしろ好都合だった
貴女「…興味ないです」
「興味ないアピール」をするまたとない機会だったから
それに、以前あった鬼灯への想いは
もうほぼ薄れていた
だがそう言った瞬間
ピシッ
…なぜかヒビが入ったような音がし、
微妙な空気になった
Aは気にせず、
すん、と真顔で料理を食べたり
茄子の顔を拭いたりしていた
「興味がない」と言われた鬼灯の
内情など知らずに…
宴もたけなわ、宴は盛り上がる
そろそろお開き、ということで
みんなそれぞれ帰った
しかし、次の日から
なぜか鬼灯との遭遇率が格段にあがり
どこに行っても彼がいるほどだった
ある獄卒に言われた
獄卒「Aさん、なんであの時あんなこと言ったんだよ!?」
貴女「何か問題でも?」
獄卒「問題も何も…!」
あの時、Aが「興味ない」発言をした時
鬼灯のそばの酒ビンが
ピシッ、と、彼の手によって割れたという
あの音は、そういうことだったのだ
獄卒「それに、Aさんが興味ないって言ったから、他の女獄卒が鬼灯様にわらわらと…!」
Aの発言にチャンスだと思った女獄卒たちが、
こぞって鬼灯に集まってきたという
貴女「(ホントモテるなあの人…)」
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年2月5日 7時