鬼灯の冷徹小話集☆その六 (ページ36)

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続きページ36

これが、先ほどの鬼灯の耳打ちの真実だ

悪女「あ、アンタ…こんな力隠し持ってたわけ！？」

思わずそう言う悪女

貴女「…………」

じっ、と悪女を見るA

悪女「何とか言いなさいよ！また前みたいになりたいの！？」

鬼灯「…認めましたね？」

鬼灯の言葉に、ハッとする悪女

熱くなっていて、獄卒たちがいるのを

忘れていたようだ

見ると、

みんな険しい顔で見ている

悪女はついに認めた

Aが色々と妬ましかったと

鬼灯と近いAが

悪女は烏天狗警察に連行された

鬼灯「…ただ、Aさん、いくら何でも自分を囮にするようなことは感心しないですね」

貴女「？」

鬼灯「貴女、先ほど、みなさんに悪女さんの真意を聞かせるために、あえて受け身になったでしょう」

彼女が黙っていたのは、

黙ることで悪女を怒らせ、

真実をみずから言わせるためだ

それが、鬼灯にはバレていた

貴女「…だめ？」

鬼灯「囮になるのはダメですよ」

ぽんぽん、と鬼灯はAの頭を撫でる

貴女「…あの人、かわいそう…」

鬼灯「悪女さんですか？なぜ？」

貴女「…鬼灯さんのこと、好きだった」

悪女もまた鬼灯を想っていた

それを、Aは懸念したのだ

彼女だって、鬼灯とくっつきたかったはずだ…と

鬼灯「…優しい人ですね、しかし私が選んだのは貴女ですよ」

ちゅ、とAの額にキスをする鬼灯

鬼灯「それに…ああいう人とくっついても…ねぇ」

おそらくは、仮に彼女とくっついたとして

ワガママに振り回されたり

理不尽な未来しかないだろう

悪女としては

好いた男とくっついて満足だろうが

鬼灯としては勘弁してほしい

鬼灯「Aさん…」

ぎゅ

鬼灯は、Aを抱きしめた

鬼灯「私は、貴女がいいです」

切なげな声で、鬼灯は言う

鬼灯「私の幸せを願うなら…そばにいて下さいよ」

貴女「……」

Aは、その腕にそっと手を重ねる

鬼灯「ああ、我慢できません」

ふいに鬼灯は言うと、Aを抱え上げた

鬼灯「貴女がいなかった分、しっかり補充させてもらいますよ」

貴女「…補充？」

きょとん、とするAを

部屋に連行する鬼灯

彼女が彼の言った意味を理解したのは

めっちゃ愛でられてからだった

結界使える貴女
傷ついてでも貴女を助けようとする
鬼灯さん、男前！