小話 鬼灯の怒り〜鬼灯〜 ページ29
鬼灯は荒れていた
ある一家をビビらせるほどに
男「ほ、鬼灯様!!お、落ち着いて下され〜!」
鬼灯「誰のせいでこうなってると思ってるんですか!!」
彼がこうなったのには、理由がある
さかのぼること数日前…
彼にはかねてから愛しい人がいた
その名は、A
頑張り屋で飾らない彼女に、鬼灯は惚れたのだ
そしてようやく、彼女と恋仲になり、
婚約までした
そのAとの結婚式の日…
バンッ!!
誓いのキスを交わそうとした時に、
乱入者が現れた
ある女獄卒と、その家族が現れたのだ
男「鬼灯様!その結婚待たれよ!」
父親である男が言うには、
Aがその女獄卒をいじめたとのことで
Aは鬼灯にふさわしくない、とのことだった
貴女「…いや、誰?」
鬼灯「……!」
Aの呟きに、彼女が無関係であることを
察した鬼灯
つまり、冤罪、彼らの言いがかりだと
結局、結婚式はぶち壊された
鬼灯は今日、その一家に直談判しに来た
しかし、いくらAの無実を説いても
彼らは被害者ぶるだけだった
しまいには…
女獄卒「鬼灯様かわいそう…あの女に洗脳されてるのね!」
とまで言い出す始末
鬼灯「…あのですね、Aさんは…」
男「とにかく!娘はあの女にいじめられて…」
鬼灯「あの、少し話を…」
女獄卒「パパぁ、私がいけないのぉ!私が弱いからAさんにいじめられたのぉ!」
男「おぉよしよし、パパとママはお前の味方だからな」
……何だこの茶番は
一家は言いたい放題
ブチッ!
鬼灯はついにキレた
鬼灯「……そんなに更地に住みたいなら」
ジャキッ
鬼灯は金棒を出した
鬼灯「…お望み通りにして差し上げますよ!」
鬼灯が黒いオーラをまとっていることに気づき
すくみ上がる彼ら
彼らはようやく、自分たちの過ちに気づいた
鬼灯を怒らせてしまった
一家は泣いて謝った
娘に幸せになってほしかっただけなのだと
女獄卒は以前から鬼灯を慕っていて
いつか自分を見てくれれば…と思っていた
しかし彼が見たのはA
それを彼女は不服とし、今回の騒ぎになった
鬼灯「まったく…式はやり直しですね」
騒ぎのあと、鬼灯は言った
親心とはいえ、アレはやりすぎだ
こちらの気持ちも無視か
鬼灯が愛しいのはA
それは揺るがぬ事実
後日、式を挙げ直した
イメージ→「悪役令嬢がポンコツすぎて婚約破棄できません」
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年2月5日 7時