小話 信用するかしないか〜鬼灯〜 ページ23
Aは地獄で働く獄卒
しかし、少し難点がある
男嫌いなのだ
獄卒に声をかけられても
相手が男だと、つい睨んでしまう
貴女「(…ふん、男なんか信用できるかっ)」
彼女がなぜこうも男嫌いなのか
実は…
生前に、男にひどい捨てられ方をしたA
信じていた男に裏切られ、あげくに殺されて
そのせいで、死んでからも男は信用しなくなった
人懐っこい茄子や
マジメな唐瓜
このふたりにも裏があるように思えてならない
中でも一番アレなのは…
貴女「(き、来たぁぁ)」
閻魔大王第一補佐官、鬼灯だった
彼はなぜか、あらゆる場所に現れる
補佐官で獄卒なので仕方ないのだが…
彼女が一番苦手とするこの人、
なぜか遭遇率がめっちゃ高い
貴女「(…できれば会いたくないんだよな…)」
思わず、足が一歩後ろに下がる
Aが逃げようとしているのを察してか
素早くこちらに来る鬼灯
ガシッ、と彼女の肩をつかむ
鬼灯「今、私を見て逃げようとしましたね?」
貴女「(分かってるなら離してくれ〜…)」
鬼灯「でも離しませんよ」
せっかく捕まえたんですから、と彼は言う
まるで心を読んだように
貴女「わ、私が男嫌いな理由知らないの?」
鬼灯「存じてますよ、ただ…」
鬼灯は一旦言葉を切ると、言った
鬼灯「そのつまらない男と私を、一緒にしてほしくないです」
鬼灯はそう言うと、
Aが何か言う前に口づけた
貴女「〜〜〜!?////」
突然のことにジタバタするA
しかし、
その腕をつかまれ、するり、と指を絡められると
Aの心は見事に、鬼灯の手に収まった
後日、件の男が来た
タチの悪い女に捕まり、
金を奪われたあげく殺されたらしい
まぁ男の方もAを手ひどく捨てたので
当然といえば当然だが
男「A!!俺が悪かったから!助けてくれ!」
Aに助けを求める男
ぷい、と顔をそむけるA
貴女「自業自得でしょ」
男「…っ!」
男はずんずんとAに近づく
男「女のくせに!女は大人しく男に従ってりゃいいんだよ!」
その手が、Aをつかもうとした時、
鬼灯が男をねじ伏せた
鬼灯「ダメですよ、今は私の恋人なんですから」
Aを抱き寄せ、鬼灯は言う
男は泣きながら、獄卒に連行された
その後、Aは
鬼灯に溺愛された
甘く、甘く…
ひどい男、成敗!の話
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年2月5日 7時