小話 さまよう亡者〜鬼灯〜 ページ3
貴女「………」
Aは、静かにたたずんでいた
ただひとり、森の中で
そこに、ひとりの男がやってきた
??「………」
彼は、こちらをじっと見つめた
そして、こちらに来た
??「貴女…」
貴女「…!あなた、私が視えるの?」
そう、実は、
彼女はもうこの世の者ではない
??「私も、人間ではないので」
彼は帽子を取った
額に、角…
鬼…
鬼灯「私は鬼灯といいます、このへんでさまよっている亡者は貴女ですね?」
貴女「(情報でも出てんのかな)」
鬼灯「良ければ、話してもらえませんか」
Aは、話した
なぜ彼女が命を落としたか…
それは、数カ月前…
Aは、男と女数人のグループでここに来た
この先にコテージがあり、彼女たちはそこに泊まった
これだけならただの楽しい話で済んだのだが…
Aは知らなかった
その男の素顔を…
ガチャ
貴女『あれ、あの子たちとはもういいの?』
男が女たちと遊ぶのが好きなのを知っているA
またいつもの遊びだと思った
だが、自分のところに来るのはなぜ?
男『こん中でまだヤッてないの、お前だけだよな』
貴女『私は論外でしょ?美女待たして何してんの』
男は、Aを押し倒す
嫌な予感に、青くなるA
男『さぁ、イイ時間だぜ…?』
貴女『やだ、やだぁぁ!私は好きな人としか…!』
男『大人しくしろ!』
ドカッ、
バキッ
男は、Aを力づくで従わせようとして
加減を誤った
気がつけば、Aは幽体となっていた
見ると、血まみれで倒れている自分
男『ば…バカな奴だ、大人しくハーレムに加わっていりゃ、こんな目に遭わずに済んだのによ!』
自分の亡骸に、そう吐き捨てるように言った男
騒ぎを聞いて駆けつけた女たち
しかし、男を責めるどころか
遺体を始末するのを手伝った
「霊体のA」が見ているなど、夢にも思わずに
そして、帰っていった男と女たち
女1『アイツ一人だけ、ウザかったよねー』
女2『だね〜、良い子ちゃんぶってさぁー』
とか、衝撃なことを話しながら
貴女「…友だちだと思ってたのに…」
ぐっ…と拳を握るA
貴女「鬼灯さん、あなたはどこの鬼?」
鬼灯「地獄の鬼です」
貴女「連れて行くの?」
鬼灯「そうですね」
貴女「だったら、ちょっと待って、アイツらに復讐するまで」
鬼灯「それだと、貴女地獄行きですよ?」
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年2月5日 7時