小話 距離感〜鬼灯〜 ページ19
貴女「…でね〜」
茄子たちと談笑するA
それを遠くから見つめる鬼灯
なぜ、彼女は自分を遠巻きにするのだろう
ある日、鬼灯は聞いた
女獄卒「アンタ、鬼灯様の何なの?」
貴女「仕事仲間、つまり上司ですが何か?」
女獄卒「まぁ、アンタが鬼灯様に女として見られるとか、ナイけどね」
貴女「そうですね」
女獄卒「アタシが鬼灯様とくっついても、恨まないでよ?」
貴女「どうぞ、ご自由に」
そう言って去っていくA
鬼灯はその彼女を、呆然と見つめた
鬼灯に気づいた女獄卒がすり寄ってきたが、
鬼灯の視線は彼女の後ろ姿を見ていた
またある日、鬼灯は
食堂でAを見つけた
距離を取って座り
彼女にじりじり近づく
彼女が振り向くと止まって何でもないふりで
違う方を向いていればじりじり近づいて
それを繰り返す
まるで
だるまさんが転んだのように
距離を詰めた
そして
彼女がまた振り向いたとき
鬼灯はすぐ近くにいた
彼女を逃がさないために
鬼灯は満を持して
Aを抱きしめた
貴女「わ…!…鬼灯さん…?」
鬼灯「…ずるいじゃないですか、茄子さんたちばかり」
鬼灯は、思っていたことをすべて話した
茄子たちと仲良くしているのがうらやましかったこと
本当に想っているのはAだということ
鬼灯「上司とだけ見られるのは嫌なんです…男として見られたい」
貴女「鬼灯さ…」
言いかけたA
その唇を、鬼灯が塞ぐ
少しのキスのあと、Aは言った
貴女「でも、あの人が…」
鬼灯「あの獄卒ですか?気にしないで下さい」
前からあの女獄卒にちょくちょくすり寄られ
困っていたという鬼灯
鬼灯「しかし、これからは堂々とできますね、なんせ彼女ができたんですから」
貴女「…鬼灯さんたら…」
ふたりの心の距離は、ゼロになった
鬼灯さんはだるまさんが転んだ上手そうだなと
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年2月5日 7時