鬼灯の冷徹小話集☆その五 (ページ48)

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小話　寝不足の理由〜鬼灯〜ページ48

貴女「書類上がりました〜…」

フラフラとした足取りでやってきた、ひとりの獄卒

彼女は、A

その顔は、疲労が隠しきれていない

眠そうな目にはクマ、

食事をとっているのか怪しい細身

誰もが心配になるその姿

大王「Aちゃん、大丈夫？前にも増して疲労感出てるけど…」

貴女「あ、大丈夫です…」

茄子「ちょっと休んだら？」

唐瓜「そうだよ、これじゃ絶対倒れるって！」

貴女「大丈夫、ですから…」

鬼灯「………」

鬼灯は、Aの様子に違和感を覚えた

…あの叩かれたような跡は、何だろう…

貴女「じゃ、失礼しま〜す…」

またフラフラと歩き出すA

だが次の瞬間、

貴女「あ…」

グラッ

倒れる！

そう思ったら、ビュン！と素早く動く影

鬼灯だった

鬼灯はすんでのところでAを抱き止めた

貴女「あ、鬼灯さん…」

鬼灯「どこが大丈夫なんですか、限界ギリギリじゃないですか」

貴女「だい、じょ…」

Aは、鬼灯の腕の中で気を失った

白澤に診てもらうと…

白澤「Aちゃん、かなり疲労が溜まってたみたい、それにお腹空っぽだよ」

かなりものすごい状態だったようだ

白澤「診たところ、ほとんど寝てないし、ほぼ飲まず食わずで仕事してたって感じだね」

茄子「Aさん…大丈夫かなぁ」

白澤「しっかり食べて、休めば大丈夫」

桃太郎「でも、何でこんなになるまで…」

鬼灯「浄玻璃の鏡で、何があったか見てみましょう」

ピッ

浄玻璃の鏡で見てみると、

Aと、女獄卒が映った

その女獄卒がしていたことは、衝撃だった

女獄卒『いい？あんたはコレやっといて、あとはコレと、アレも』

貴女『………』

バシッ

女獄卒『返事は！？』

貴女『は、はい…』

女獄卒『あんたはアタシの下僕なんだから、ちゃんとやってよね、もちろん全部』

貴女『…分かりました』

Aは、女獄卒の仕事をすべてやっていたのだ

しかも、不眠不休、食事もわずかで

その上、気に入らないことがあると

Aをひどく殴った

桃太郎「ひ、ひでぇ…」

大王「そ、そういえば、アレとかアレとか、Aちゃんの仕事じゃなかったかも…」

鬼灯「ﾁｯ……もっと早くに気づくべきでした」

Aの様子に気づくのが遅れたと、

舌打ちする鬼灯

いくら何でも、これはない

何とかして彼女を救いたい