小話 噂話〜鬼灯〜（鬼灯ヤンデレ） ページ45
貴女「そんな…」
ある日、Aは茄子たちに言われた
Aが誰かに仕事押しつけたとか
仕事そっちのけで遊んでるとか
一番多いのは、ある女獄卒をいじめた、ということ
貴女「そんなことしてない！」
彼女には身に覚えがないことばかり
だが今や誰も聞いてくれない
いや…一人だけいた
鬼灯だ
彼だけは、Aの味方をしてくれた
ある日、噂のせいでひどく傷つけられたA
そこに現れたのが鬼灯だった
Aは、いつしか彼に惹かれていた
鬼灯は、Aを部屋にかくまう
優しく手当てする彼
鬼灯「Aさん、獄卒やめて私のもとで暮らしませんか？」
その言葉は、傷ついたAの心を優しく包んだ
貴女「…いいの？鬼灯さん」
鬼灯「もちろんです、ただ、貴女を守るためにここから出ないで下さい」
貴女「…わかった」
鬼灯「貴女が辞めたことは私から言っておきますので」
貴女「うん」
鬼灯は彼女を部屋に残し、
彼女の辞任を伝えるべく歩きだした
…ニヤリ
口もとを小さくほころばせて
実はあの噂話は…
ひとりの悪女が流したものだが
鬼灯は
さらにそこに色々足した
つまり便乗したのだ
理由は…
Aを独占したかったから
こんなことは誰も知らない
もちろん、彼女も、噂を流した悪女も
噂を信じている者は大半
中には半信半疑の人もいるが、いずれ信じるだろう
Aが辞めたと告げると
安心した者もいれば
辞めることはないのに、と残念がる者もいた
Aには、ここが安全だと、
他は怖いと説き伏せた
鬼灯「今日はAさんの好物ですよ」
貴女「！！」ﾊﾟｧｧ
鬼灯「いい子にしてたご褒美です」
時々、鬼灯はAに好物を買ってきた
鬼灯の庇護のもと、Aは幸せに暮らす
時には、うっかりAを目撃した獄卒は
鬼灯によって処罰された
ある夜には…
貴女「あ、鬼灯さん…」
鬼灯「Aさん…いいですか？」
貴女「…鬼灯さんが、欲しがってくれるなら」
彼女を求める鬼灯
恥ずかしげに頷き、そう答えるA
ああ…たまらない
今やこれは、私だけのもの
人の正義感は時に恐ろしいですね
噂ひとつでこんなにも…
ですが、悪女さんに感謝しなくては
おかげでAさんといられるんですから
そう、内心思う鬼灯
今日もまた、Aは
彼の歪んだ愛に
何も知らずに溺れていく
今回は孤立誘導型
鬼灯さんはうまく立ち回ると思う
小話 捨てられた令嬢〜鬼灯〜→←小話 お香の秘密〜お香〜（お香ヤンデレ）
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作者名：Nami☆ | 作成日時：2024年1月18日 7時
