鬼灯の冷徹小話集☆その五 (ページ36)

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小話　危険な賭け〜鬼灯〜ページ36

まただ

Aは何かと、女獄卒たちに目の敵にされた

今目の前で

鬼灯に対し言い訳してるのも

鬼灯のことが好きな獄卒のひとりなのだ

ある日、Aは

一番タチの悪い女獄卒に捕まった

ナイフをかざし、刺すぞと脅してくる

そして、こちらに向かってきた！

悪女「…え？」

貴女「…これで…少しは気が済んだかな……がふっ」

Aの腹にはナイフ

そして口からは血

Aは、悪女の向けたナイフを、

よけることなくまっすぐ受け止めた

…体で

一子「大変…！」

二子「鬼灯様に知らせなきゃ！」

それを見た座敷童子のふたり

鬼灯に知らせに行く

知らせを聞いた鬼灯が駆けつけると

床に座るAと、腰を抜かす悪女

Aは、すぐに病院に運ばれた

緊急手術で、助かったA

鬼灯「Aさん、なぜナイフをよけなかったんですか？」

獄卒でも反射神経のいい彼女が、

よけられなかったはずがない

貴女「一度刺されれば、あの人が気が済むと思ったし、間違いに気づくと思ったから…」

つまり、あえてよけずに刺されたのだ

鬼灯「…なぜそんな危険なことしたんですか！！」

病院で、大声をあげる鬼灯

鬼灯「一歩間違えば、大惨事だったんですよ！！」

めっちゃお説教

看護婦「ほ、鬼灯様、病院ではお静かに…」

鬼灯「あぁ、すいません。Aさん、退院したらまたお説教ですからね！」

そして、退院

鬼灯は待ってましたとばかりに、Aを部屋に呼んだ

鬼灯「Aさん、これから私が言うことを甘んじて聞きなさい」

貴女「は、はい…」

そう言うと鬼灯は、Aを膝に呼んだ

恥ずかしかったが、Aは我慢して座る

すると、

ぎゅっ

鬼灯は、Aを抱きしめた

鬼灯「…本当に、怖かったんですよ」

鬼灯の声は、震えていた

鬼灯「貴女の傷…あと数ミリずれていたら、…危険だったと、お医者さんから聞いて…」

貴女「鬼灯さん…」

彼は、めっちゃ心配していたのだ

そして、お仕置きと称し、

彼に甘く抱かれた

その後…

鬼灯「もう、あんな危険なことしないで下さいね？」

鬼灯にしっかり釘を刺された

それだけ、彼は心配していたのだ

ちなみにAを刺した悪女は、

烏天狗警察に出頭した

刺した時の感覚で

過ちに気づいたそうな

このお話は、金田一少年の事件簿の場面を
一部イメージしています