小話 そっくりさん〜鬼灯〜 ページ33
今日、地獄は騒がしかった
ある人が、処刑されるのだ
その名は、A
ある女獄卒をいじめた悪質な獄卒として
度が過ぎたと
処刑されることになったのだ
貴女「動いてる動いてる」
それを上から見る「本人」
実は、あのAは
彼女が魔力で作った人形なのだ
Aはこれまでも
何度もループしてきた
悪女のあの嫌な笑みも、何度も見た
もう処刑は嫌だと
魔力で人形を作り
自分が死んだことにして
あとは自由に生きるつもりなのだ
そして
Aそっくりの人形は本人の代わりに処刑された
安心したような
悲しいような獄卒たち
貴女「よし、おまけに…っと」
Aは、ぱちん、と指を鳴らした
『やっと死んでくれたわね、バカな女!』
『クビクビちょんぱ〜♪おジャマな獄卒クビちょんぱ〜♪』
『これでアタシがアイツをいじめてたのもバレないわね!』
『さぁ鬼灯様、アタシに夢中になりなさぁい♪』
悪女「な…何よこれ!?」
これは、悪女の心の声
Aは、人形に仕掛けを作り
それを「拡散」したのだ
鬼灯「…どういうことですか」
戸惑う獄卒たち
怒りを覚える鬼灯
鬼灯「ならばAさんは…無実…!」
真実に気づいた彼ら
後悔の念にさいなまれる
悪女「何よ!今後悔したって、アイツは戻ってこないわよ!!」
かくして悪女は、獄卒たちに捕らえられた
悲しげにAの頭を抱きしめる鬼灯
ごめんなさいと悲しみに暮れる獄卒たち
貴女「…じゃあね、みんな」
小さく呟くA
そして気づかれずに去ろうとした
…が
鬼灯「…A、さん?」
あ、やば、バレた
鬼灯「…?ではさっきのは…」
貴女「ひ、人違いですわーー!!」
そう叫んで逃げるA
ちら、と後ろを見ると
鬼灯がすごい勢いで追ってきた
あっという間に捕まる
貴女「ぜー、ぜー…なんで、諦めて、くれない、の…」
激しく息切れするAに対し、涼しい顔の鬼灯
鬼灯「本人いたのに、むざむざ見送るやつがありますか」
ぎゅ、と抱きしめる鬼灯
鬼灯「…良かった…本人が、いて…」
ぴとっ
Aの肩に、鬼灯の涙が落ちた
あまり泣かない鬼灯が、泣いた
後日、Aはすべて打ち明けた
驚く獄卒たち、だがすぐに喜びに変わった
その後、彼女は獄卒に復帰した
イメージ→「99回ループした断罪令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!?」
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年1月18日 7時