小話 私を見て〜鬼灯〜(鬼灯ヤンデレ) ページ16
貴女「愛してる…」
鬼灯「……チッ」
彼女、Aは愛を呟く
しかし、それは近くにいる鬼灯にではなく
遠くにいる元夫だ
ふたりは深く愛し会っていた
生前、元夫は海外に赴任した
その飛行機の事故で、海外で亡くなったのだ
彼はおそらくEUにいるだろう
その彼も彼女のことを思っていると思うと…
鬼灯には耐えられなかった
鬼灯「Aさん、私は貴女を…」
貴女「鬼灯さん…ありがとう、でもごめんね、私にはあの人だけなの」
鬼灯「………ッ」
それが納得できない鬼灯
彼女の心は、常にあの人のもとだ
ある日、AはEUにいる元夫と会えることになった
向こうから日本に来るらしい
喜び勇んで空港に会いに行くA
しかし、やっと会えた元夫は、彼女のことを忘れていた
事故のショックで忘れてしまったのだろうか
なにかで思い出すかもしれない
Aは頑張った
だが、どれだけ頑張っても
彼がAを思い出すことは
二度となかった
涙に暮れるA
実は…
ある人に電話をかけた鬼灯
鬼灯『あ、リリスさん、お願いがあるのですが』
リリス『あら、鬼灯様からなんて珍しいわね、なに?』
鬼灯『リリスさんのところに、人を忘れさせる薬はありますか?』
リリス『忘れ薬ね、あるけど?』
鬼灯『その薬を、ある人に飲ませて欲しいんです』
コレコレシカジカ
リリス『なるほど…悪い人ねぇ』クスッ
鬼灯『こうでもしないと、あの人私を見てくれませんから』
リリス『嫌いじゃないわよ、そういう強引なの。分かったわ、やっておくわね』
そうして元夫は、Aのことを忘れてしまったのだった
そんなこと知る由もないA
泣きじゃくる彼女に、鬼灯は、
鬼灯「あの人、すでに他の女性がいるそうですよ」
と言った
その言葉にさらに涙するA
鬼灯は彼女を抱きしめた
鬼灯「私がそばにいますよ」
貴女「…ありがとう…!」
傷心のAに、
鬼灯の言葉は深くしみた
にやり、と口もとがほころぶ鬼灯
ようやく彼女が自分のものになった
その喜びが大きかった
最初はまだ元夫が忘れられなかったA
だが鬼灯が優しく接すると
心の傷は鬼灯の愛を求めた
鬼灯の思惑通りにほだされるA
そして、彼女は
鬼灯の恋人になった
ギリシャ神話からです
ある美しい吟遊詩人が奥さん一筋だったために
女たちに……みたいな
忘れ薬はまた別の話ですが
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年1月18日 7時