検索窓
今日:67 hit、昨日:19 hit、合計:6,280 hit

小話 私を見て〜鬼灯〜(鬼灯ヤンデレ) ページ16

貴女「愛してる…」


鬼灯「……チッ」


彼女、Aは愛を呟く


しかし、それは近くにいる鬼灯にではなく

遠くにいる元夫だ


ふたりは深く愛し会っていた

生前、元夫は海外に赴任した


その飛行機の事故で、海外で亡くなったのだ


彼はおそらくEUにいるだろう


その彼も彼女のことを思っていると思うと…


鬼灯には耐えられなかった


鬼灯「Aさん、私は貴女を…」

貴女「鬼灯さん…ありがとう、でもごめんね、私にはあの人だけなの」

鬼灯「………ッ」


それが納得できない鬼灯

彼女の心は、常にあの人のもとだ



ある日、AはEUにいる元夫と会えることになった


向こうから日本に来るらしい


喜び勇んで空港に会いに行くA


しかし、やっと会えた元夫は、彼女のことを忘れていた


事故のショックで忘れてしまったのだろうか


なにかで思い出すかもしれない


Aは頑張った






だが、どれだけ頑張っても







彼がAを思い出すことは

二度となかった








涙に暮れるA



実は…





ある人に電話をかけた鬼灯


鬼灯『あ、リリスさん、お願いがあるのですが』

リリス『あら、鬼灯様からなんて珍しいわね、なに?』

鬼灯『リリスさんのところに、人を忘れさせる薬はありますか?』

リリス『忘れ薬ね、あるけど?』

鬼灯『その薬を、ある人に飲ませて欲しいんです』


コレコレシカジカ


リリス『なるほど…悪い人ねぇ』クスッ

鬼灯『こうでもしないと、あの人私を見てくれませんから』

リリス『嫌いじゃないわよ、そういう強引なの。分かったわ、やっておくわね』


そうして元夫は、Aのことを忘れてしまったのだった






そんなこと知る由もないA


泣きじゃくる彼女に、鬼灯は、


鬼灯「あの人、すでに他の女性がいるそうですよ」


と言った


その言葉にさらに涙するA


鬼灯は彼女を抱きしめた


鬼灯「私がそばにいますよ」

貴女「…ありがとう…!」


傷心のAに、

鬼灯の言葉は深くしみた



にやり、と口もとがほころぶ鬼灯


ようやく彼女が自分のものになった

その喜びが大きかった


最初はまだ元夫が忘れられなかったA


だが鬼灯が優しく接すると

心の傷は鬼灯の愛を求めた


鬼灯の思惑通りにほだされるA


そして、彼女は

鬼灯の恋人になった



ギリシャ神話からです
ある美しい吟遊詩人が奥さん一筋だったために
女たちに……みたいな
忘れ薬はまた別の話ですが

小話 婚約発表〜鬼灯〜→←小話 夢主と異世界の子〜鬼灯〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:鬼灯の冷徹 , 反応集 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Nami☆ | 作成日時:2024年1月18日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。