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小話 大事な土地〜鬼灯〜 ページ26

貴女「……」


大王の裁判を見ていたAは、悲しげな顔をした

その裁判は、人を騙して土地を奪った人の裁判だった


なぜ彼女がそんな顔をしているのか…


それは、彼女のいきさつにあった


彼女は生前、とある土地を持っていた


とても大事な土地で、大切にして、豊かにした

彼女の愛情でどんどん良くなる土地

幸せだった


しかしある日、男が来て、取引を持ちかけた

この土地を買い取りたいと

一緒にいた婚約者の男性

彼は賛成だった


だがAは断固拒否した


大事にしていた土地を手放すなんてできない

いくら積まれても嫌だと


それくらい大事な土地だったのだ


しかし、ある日…


ガンッ!!


Aは後ろから殴られ、死んだ


犯人は分からない


だが、結局土地は奪われた

今日の裁判を見て、それを思い出していたのだ


ある日…


鬼灯に呼ばれて行くと、ひとりの男がいた

それは…Aの婚約者だった


貴女「あ…!鬼灯さん、この人天国行きでしょ?」

鬼灯「何言ってるんですか、この人は地獄行きですよ」

貴女「どうして?この人いい人だよ?」


鬼灯はため息をつくと、衝撃的なことを言った


鬼灯「貴女の死因がこの人だとしてもですか?」

貴女「え…どう、いう、こと…?」


浄玻璃の鏡で見てみると、その真実が分かった


……彼女を殴り殺したのは、婚約者の彼だったのだ


土地を売ることに断固反対していた彼女を殴り殺し、

あの男と共に土地を奪ったのだ


男「バカな女だ、大人しく土地を売っていれば、長生きできたのによ!」


かつての優しさはどこへやら

今はただの文字通りの金の亡者だ


鬼灯「彼、貴女の土地を前々から狙っていたようですよ」


つまり、Aに近づいたのは、

彼女が持つあの土地がかなりいいものと知り、

あの土地を売却し金を得るためだったのだ


そこには、愛などかけらもなかった


男「お前、土地を良くしすぎたのが命縮めたな!」


ぎゃははは、とAを笑い飛ばす男


貴女「……っ」


そのあまりのことに、Aは俯いた


この人がくれた愛の言葉

それらすべては、土地を奪うためだった?

ほんの少しでも、自分に対し愛はなかった?

金が彼を変えてしまった?

それとももとからこうだった?


もう何が何だか分からない


ガクッ、とAは膝をつき、頭を抱えた


こんな人を信じた自分が悪い…?


その様子を見て、


さらに笑う男

心配そうに見る大王


そして……


怒りに燃える鬼灯

続き→←小話 カナヅチ〜白澤、鬼灯〜



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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 反応集 , 短編集
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(プロフ) - 偽装カレの続きがあったらいいな (12月9日 6時) (レス) @page46 id: d5d529a22f (このIDを非表示/違反報告)
- 冨岡さんいいですよね。私の最推しは伊黒さんです。 (12月2日 3時) (レス) @page38 id: e739b2c63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nami☆ | 作成日時:2023年11月13日 10時

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