続き ページ16
私は大王に頼み、Aさんを第二補佐官にしました
ある日、私はAさんをある場所に連れていく
それは、かのイザナミさんの宮殿
その柱に、村人たちは縛られていた
足元には炎
生贄にされた恨みでこうして干しているのです
その中に、Aさんを縛り首にした村人も
彼女を泥棒扱いした人もいた
ゴス、と金棒を押しつけ、グリグリする
鬼灯「貴方たち、Aさんを苦しめましたね」
村人1「だ…だって、あんなうまそうな野菜…」
村人2「俺たちに、くれなかったんだし…」
鬼灯「貴方たちにやる野菜などなかったのですよ」
グリグリ
村人1「うぅ、だってこいつ、一人占めを…」
鬼灯「Aさん、話してもいいですか?」
コクリ、とAは頷いた
鬼灯「一人占めではなく、私と分けていたのですよ」
村人2「な、何だって…!」
鬼灯「おいしかったですよ、Aさんの愛情の味がして」
貴女「(えっ…///)」
村人1「じゃあ、あん時ツヤツヤだったのは…」
鬼灯「彼女の野菜のおかげです、Aさんは湧き水で育てた野菜を、私だけに分けてくれたのです」
村人1「わ、湧き水あったのかぁ…」
村人2「なんで教えてくれなかったんだぁ…」
貴女「あなたたちがもっと優しかったら!…教えたよ」
この人たちが、もっと優しかったなら…
孤児にも優しかったなら…
彼女はその知恵を、惜しまなかったでしょう
その優しさがなかったから、教えなかった
ひとしきり呵責したのち、閻魔殿に帰る私たち
鬼灯「Aさん、また野菜育ててみませんか?」
貴女「え?」
鬼灯「また貴女の野菜が食べたいです」
バリエーションも増えましたよ、と私は言う
貴女「…!丁くん…いや、鬼灯さんがそう言うなら!」
Aさんはまた野菜を育て始めた
ニンジン、キュウリ、今やトマトに大根、ジャガイモ…
鬼灯はそれをピクルスにしたりして味わう
地獄にウサギの獄卒がいると知ると、
その野菜を持っていったりした
野菜は大好評
鬼灯「貴女の野菜なら、バーニャカウダも悪くないです」
貴女「ふふっ」
村にいた頃よりずっと幸せだ
だってそばには貴女がいるから
その後、私たちは恋仲になった
ちなみに鬼灯さん髪切った後です
小話 鶴の恩返し〜鬼灯〜→←小話 二人だけの秘密〜丁、鬼灯〜
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善(プロフ) - 偽装カレの続きがあったらいいな (12月9日 6時) (レス) @page46 id: d5d529a22f (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 冨岡さんいいですよね。私の最推しは伊黒さんです。 (12月2日 3時) (レス) @page38 id: e739b2c63b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nami☆ | 作成日時:2023年11月13日 10時