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小話 捨てられた彼女と拾う彼〜鬼灯〜 ページ4

貴女side

貴女「…」


先ほど、私、押山Aは捨てられた

固まる恋人、そのかたわらには知らない女性

しかも色気すごい

甘ったるい声で恋人に甘えている

その人は私を見て、勝ち誇ったように笑った

あぁ…そうか

私は捨てられたんだ、とすぐ理解し、その場を去った


???「………」


自分を見る、別の眼差しに気づかずに…


近くの店で、ジュースをお供に焼き鳥を食べていると、

そばに誰か来た
(↑酒じゃないのは酒が苦手だから)


???「お隣、よろしいですか」


そのバリトンボイスの主は、鋭い目つきをした男性だった


貴女「あ、どうぞ…」


彼は私の隣に座る

この人、どこかで…


加々知「失礼、私は加々知と申します」

貴女「あ、どうも…」

加々知「貴女、2Fの事務の押山Aさんですよね」

貴女「なぜそれを?」

加々知「知ってますよ、同じ会社ですから」


あ、同じとこだったんだ…

外で見かけただけだから気づかなかったなぁ

…ま、さして興味もなかったし

がぶ、と焼き鳥をかじっていると、加々知さんが言った


加々知「…辛いものですよね」

貴女「同情なら結構です」


さっきのこともありつい冷たく言ってしまう

でもいいよね、どうせこれっきりだもん


加々知「それもそうですが…好きな人に関心持たれないことです」

貴女「加々知さん、誰か思う人でも?」モグモグ


それを私に相談されても困るんだけどな


加々知「私の好きな人は…隣で焼き鳥かじってる人ですね」

貴女「…?」


そんなのここには数人いるんだが?

加々知さんはキョロキョロする私の手にあった焼き鳥を奪うと、貴女のことですよ、とそれをかじった

ちょ、待っ…それ食べかけ…てか、これ間接…っ


加々知「貴女をずっと見てたんですよ?」


焼き鳥をかじりながら言う加々知さん

その目は鋭くも熱をもって私を見ていた

じりじりとこっち…に?


貴女「ちょ、加々知さっ…」


周りの目も気にせず、彼は私にキスをした

彼の思いが、流れこんでくるようで、私の心を溶かした

…そのキスは、焼き鳥の甘ダレより甘かった…


加々知さんとのことはすぐに会社で話題になった

あの店同じ会社の人よく来るから…

元カレやあの女性に絡まれたこともあったが、

加々知さんが助けてくれた


加々知さん、結構男前だからな…目つきちょっと悪いけど


その後、加々知さんが鬼灯という鬼であることを知った


こういう現代マンガ読んだもので…
捨てられた後に出会う的な…

小話 マッサージ〜白澤、鬼灯〜→←小話 洗脳〜白澤〜(ヤンデレ)



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作者名:Nami☆ | 作成日時:2023年10月14日 8時

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