鬼灯の冷徹小話集☆その弐 (ページ11)

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小話　星の子と伝説の美男〜義経〜（クロスオーバー）ページ11

ここは烏天狗警察…

逃げた亡者や違反した獄卒を取り締まる者たちのいる場所

この烏天狗警察に、かの源義経もいた

彼は烏天狗たちとは違い、非力なことが悩みだった

ある日、彼は烏天狗たちからある話を聞いた

千年彗星が訪れるとき、結晶の中に眠る「星の子」が目覚める…

その夜…

義経が庭を散歩していると、不思議なものを見つけた

先のとがった、変わった結晶だった

屋敷に持ち帰った義経がふと歌を口ずさむと、

結晶が光りだした

そして現れたのは、頭が星形の、不思議な生き物

義経はその生き物をAと名付けた

調べると、この生き物はジラーチといい、

千年に一度目覚めて願いを叶えてくれるそうだ

しかし、活動できるのは7日間だけで、

それが終わるとまた結晶に戻るのだという

そして次に目覚めるのは千年後だそうだ

それを聞き、義経は自分の願い事より、

Aの思い出作りの方が大事だと思った

1日、2日…貴重な時間が過ぎていく

義経は、腕の中のAを見つめた

7日経ったら、この子は…

不安を抱えたまま、義経はAと時を過ごす

時に天然なことをして周りを笑わせるA

時が来たら、止められない…腹をくくらねば

義経は、ぐっと拳を握りしめた

彼はAが結晶になったら、屋敷に飾るつもりでいた

しかし、7日経っても結晶になる気配がない

みんな首をかしげた

義経「も、もう7日過ぎましたよね?」

烏天狗「おかしい…なぜ結晶にならない?」

貴女『私はここにいたいって、だから呼ばないでって、星たちにお願いしたの』

烏天狗「なんと…自分の意思で…」

運命には逆らえないものと思っていた一同

貴女『私、ここにいるって決めたの、ダメだった?』

義経「ダ、ダメじゃないです!」

貴女『私義経と一緒にいたい』

義経「っ…私もです!」

烏天狗「思いの力は、ときに運命すら変えます、この子は若と共にいることを選んだのです」

義経「…!これからもよろしくお願いします!」

貴女『うん!』

笑顔で抱き合う二人

それを微笑ましく見つめる烏天狗たち

良かったですな、と涙ぐむ者もいる

その後Aは正式に烏天狗警察に入った

ただ、義経のムキムキの願い事を叶えようとするのは止められた

ジラーチな貴女
ちょっと特殊にしてみました
少し神秘性込めました