幽霊になった件について【stpr】

3話 ページ3

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「…あぇ、俺寝てた…。」

ｯあっぶねえ〜〜〜〜〜！！！
無い心臓がどくどく波打っている感覚さえ覚える。
とりあえず汗やばいから。

急いで椅子に座らせたタイミングで起きてくれてよかった…。
傍から見たらさとみくん浮いてるんよ…。あぶねえよマジで…ビビらせたくない…。

なんか焦りすぎて隠れちゃったもん草。

おぼつかない足取りで寝室に向かうさとみくん。…大丈夫か？？
あああ、そこ危なっうお、大丈夫か！？？ひええ、見ててはらはらする！！

…手助けしよ。
このまま怪我されたら罪悪感で2度死んじゃう。

そうと決まったら急がなきゃ

ふわふわ浮いてさとみくんに近寄り、肩に手を回して安定させる。
これでバレてもしょうがないわ。それは運命ってことで。てかバレるか普通。
まず推しに逢えて触れてるんだからそれだけで十分幸運やったな。ありがとう神様。

ｳﾜｧさとみくん体温上がってるやん…あっつ…赤ちゃんかな…？？？かわいいね最年長。

よたよたと寝室に誘導する。
最初おうち探検しててよかった…こんなとこに生かせるなんて…。

今さとみくんは…って寝ようとしとるやんけ！！！
目がとろんってしてますよ色っぽむり！！！顔面の破壊力！！！

『ｶが、頑張ってください！！あともうちょっとですよ!！！』

今寝られたら困る！！！1回体勢崩さなきゃお姫様抱っこにできない！！
今私に体重を半分くらい分けてるから今寝られたら私潰れる！！しぬ！圧迫死！！
…いや推しでの圧迫死はご褒美か…？？？

急ぎめに寝室に運ぶ。扉…っ開けづら…ｳｯｯ
さとみくんから少し離れ、急いで扉を開ける。そして急いでさとみくんに駆け寄る。

ｳｰﾝ忙しいね！！！

やっとのことでさとみくんをベッドの上にonさせる。
ふぅー！！大仕事終えた！！！偉い私！！！！

…。

ぐっすり寝ているさとみくんの寝顔を眺める。
相当頑張ってきてくれたんだなあ。今日は外で何をしてたんだろう。
リハーサル？レコーディング？


…わかんないけどさ。


リスナーのままだったら伝わるか伝わらないか分からない言葉。
幽霊になってしまったからもう伝える手立てはなくなってしまったけど。


それでも、言わせて


『さとみくん』

『ありがとう。頑張ってくれて』

『どうか、無理しないで』

『大好き』

『おやすみ。いい夢見てね』


笑ってくれるだけで幸せなの。
休みたい時は休んでいいよ。

おやすみなさい。さとみくん。




…うっし！辞世の句詠むか〜！

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