12話 ページ12
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暖かい光に包まれて目が覚めた。
目の前には呆然とこちらを見る6人の目。
『あ〜…て、てへ』
気まずくなって目をそらす。
これあれでしょ。10分後の世界でしょこれ。
急に私が消えちゃったからびっくりしたんでしょ。
…
いや気まず!!!
誰もなんも喋らんやんけ!!ごめんって!!
「〜〜〜ッはぁ〜…。」
さとみくんが大きなため息をついた。
『ため息ついたら幸せ逃げますよ』
「うるせえよ」
『あれ』
…!?
さとみくんよく見たら涙目じゃん…!!
どうしたどうした!!怪我したんか!?!?
「ッ〜、も〜〜〜!!よかったよ〜!!成仏したかと思っちゃった…!!」
なーくんが安堵したように言う。
よく見たらなーくんも涙目じゃん…!!私がいない10分の間で何があったの…!?!?
「いやほんまびっくりしたわ。やめてぇ」
「ほんとですよ!」
「そーだそーだ」
「僕まぁじ心配しちゃったよ。焦った〜〜」
みんな私の事好きすぎでは…??
にしても出会って2分くらいの幽霊を心配するなんて優しすぎやん…。
これからもお世話になりますちっすちっす
そこでとある事実に気づく。
『あれ??私あの世に行ったはずじゃ…。』
小さな声でぽつりと呟く。
あの黒い空間。
私が死んだ時に送られた場所。
あそこってやっぱあの世ってやつじゃないのかな。天国も地獄もなかったけど。
なんで戻ってこれたんだろう。
人間は死んだら49日の間は幽霊で現世に留まれるらしいけど…。
幽霊の後ってなに?なくね??
「いやッ…おれさあ、成仏したのかと思って10秒数えて忘れようとしたんよね。そしたらお前0のタイミングで現れるから…はぁ〜〜〜…。」
よかった、とさとみくんは小さく呟いた。
嗚呼。なるほど。
ヘヘっ、うんうん。そっかそっかぁ。
頬がにやけて治らない。
あのカウントダウンはさとみくんが数えてくれてたのね。
その声のおかげで白い光が現れてここに戻ってこれた。
視界がぼやける。
『ふふっ』
なんでだろう、
嬉しいはずなのに泣いちゃいそう。
「何笑ってんだよ」
『…、ありがとうございます。さとみさん。』
繋いでくれて、本当に。
『これからよろしくお願いしますね皆さん!!!』
くるりと回りながら一礼。
どれだけの間ここに居られるか分からないけれど、
どうかその時まで
そばにいさせて。
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わーお(プロフ) - 待ってく、れ....4話目が読めない...超、手が震える...尊いヤバイ無理死ぬ、の四点セットが頭にって、次のページめくれない...神作品ありがとうございます...!! (2022年5月5日 18時) (レス) @page3 id: 69709ab410 (このIDを非表示/違反報告)
雨兎華 - あの、好きなんです。(急)え、めっさ好きです。あの、更新待ってます。更新してください…(スライディングドゲザァァァァ) (2022年1月27日 2時) (レス) @page20 id: cd91b46233 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年12月4日 9時) (レス) @page20 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 頑張れ‼︎頑張れ‼︎ (2021年10月22日 23時) (レス) @page20 id: 7253a0dbda (このIDを非表示/違反報告)
rimu - とても面白かったデス!結婚しt(((殴天才デスか?天才デスヨネ?僕なんかニ応援させても嬉しくないト思うけど 応援してマス!長々と、すみません。 (2021年10月20日 21時) (レス) @page20 id: 8604b433e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ごりら | 作成日時:2021年7月31日 14時