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今日は社員の勤怠記録の締めだったから、昼食終わりのわたしはデータ入力に勤しむ。



「七瀬さん、今いい?」



半分くらい終えたところで上司がわたしを呼ぶ。
「はい」と立ち上がったわたしに上司は苦い顔をしていた。



『どうしました…?』

「ごめん、忙しいときに申し訳ないんだけど、広報から連絡があって。撮影立て込んでて手が離せないから代わりにケータリング受け取りに行ってほしいって頼まれたんだけど、七瀬さん行けそう?」

『あ、はい。大丈夫ですよ。』

「ありがとう、助かるよ〜。私も今から会議で。でも、あっちの不備なのにこういうときだけ総務を頼るんだから困っちゃうよね。」

『本当ですね(笑)』

「15時に受取予約してるみたい。場所はすぐ近くだから総務の5号車使って。」

『はい、わかりました。』



申し訳なさそうにしてた上司だったけど、ずっと座りっぱなしだったからわたしとしては好都合。外の空気吸うと気分転換になるから。



車を走らせたわたしは指定された場所に向かう。
ケータリングメニューはずっと気になっていたカフェの軽食とコーヒーなどのドリンク。

結構な量あったけど、お店の人が手伝ってくれたおかげで積み込みはあっという間に終わった。

お店の中の雰囲気も良かったし、メニューすごく美味しそうだったから絶対に行こうと心に決め、わたしはスタジオに向かう。



『お疲れ様。』



今日使っているスタジオの近くに車を停め、うちの社員を探していると、タブレット作業しながら外に出てくる同期を発見し、声をかける。



「おっす…。あっ、もしかしてケータリング?お前いってくれたん?」

『そうだよ。こういうときだけアッシーに使いやがって。』

「悪かったって。結構量ある?」

『うん。そこそこ。』

「わかった。」



「ちょっと!」と近くにいた部下に声をかけて台車を持ってくるよう指示をする同期。

すぐ持ってきてくれて、三人で台車へ入れこみ、部下の方があとは運んでくれた。



「マジ助かった。お礼する。」

『やった。じゃあ、考えとく。』



「ではさようなら」と手を上げて車に乗り込もうとするわたしを「ちょいちょい」と止められる。



『なに?』

「お礼するって言ったじゃん。」

『え、いま?』

「おん。まぁ来いって。」



怪しげにニヤニヤする同期に「きも」と心の中の声が漏れてしまって「おい!」と怒られる。仕方なく彼の後ろについて行った。

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作者名:舞子 | 作成日時:2024年3月7日 12時

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