監督のお兄さんは、[A3!] (ページ3)

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ep3 ページ3

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「それで俺にここを手伝って欲しいってこと？」
「そうだ。」
「申し訳ないけど手伝えん」

「「えぇっ」」

2秒とかからず無理だと答えたお兄さん。

「なんでよお兄ちゃん！」
「普通に仕事あるし。」
「残業多いのか」
「いや、残業はしないよ」
「土日は休みか」
「そうだけど」
「ならいけるだろ」
「左京くんは平日日中働いた俺に帰って来てからは寮のことさせて、挙げ句の果てには休日まで奪うつもり？どうせ給料も出ないんだろうし、俺にメリット1ミリも無いじゃん。」

まくしたてるように話すお兄さんにぐっと息がつまる左京さん。それに対して監督はお兄さんの言葉に待ってましたと言わんばかりの表情だ。

「メリットならあるよ！住み込みだから家賃と光熱費はいらないし、食費だってかからない！」

「.........いづみそれ冗談だよな」

「？何が冗談なの？」
「本気で光熱費無料だって言ってんの？」
「そうだよ！」
「じゃあここの光熱費いったい誰が払ってんだ？」
「そ、れは。今支配人が調べてくれてて...」と支配人の方を見る監督

「そ、れがですね...監督...昨日の夜監督と左京さんに言われて調べてみたんですが...」と支配人が歯切れの悪そうに話す。

「なんだ松川。はっきり言え。」

「うちの寮の光熱費及び維持費。払って下さっていたのはそこにいるAくんです...」

「「「「......え？！」」」」

「あのな、いづみ。お前がまた演劇に関わる事になったのは俺も嬉しいし応援したい。でもな、大きなものを動かすのは、そんなに簡単なことじゃない。お前はもう団員の帰る家を作ってしまったんだろう？なら責任持って団員の生活を保障しなければならない。有耶無耶にしていい事とそうじゃない事くらいお前にもわかるだろう？それがここを再起動させたお前がしなければならないことだよ。」

重みのあるお兄さんの言葉に談話室の温度がぐっと下がったように感じた。

「その感じだとここの借金返してるのが俺なのも知らないんだろうな。」

「え、この劇団借金あんの？」
マジかよ笑と笑う万里くん。

「...団員にも知らせてないのか？」

「あ、！いや、万里くん達秋組はこの前入団したばかりで...！」と僕が声を挟むと
「咲也、これは入団時に話しておかなかった監督達に非があるよ。仕方がない。」と至さんに止められた。

「「お兄ちゃんが/Aが借金を返してた...？」

監督と左京さんが目を見開く。

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