【ハイキュー!!】真っクロに染めてやるよ【黒尾鉄朗】

the black person ＊29 ページ33

黒尾先輩を


また中庭に連れ出す。




黒尾「なんだよ、願い事決めてたのか？」


A「…すぐ決まったんです」


黒尾「言っとくけど、金ないからな」





ちょっとおどけた口調はいつも通り。



だけど顔はすごく切なそう。





A「ひとつめ」


黒尾「おう」


A「バレー部のマネージャーします」


黒尾「…お？」




頷きかけた黒尾先輩の首が


変な角度で止まった。




黒尾「お前の勝ちだからやらなくていいんだぞ」


A「願い事、なんでも聞いてくれるんですよね？」




強めに言うと


そうだけど、と納得いかなそうな表情。




A「ふたつめ」


黒尾「はい、どーぞ」


A「黒尾先輩の彼女になりたいです」


黒尾「…え？」





この告白とも言える発言に



黒尾先輩の動きは完全にフリーズ。





黒尾「え、ちょ、え？！どういう事だよ？！」


A「…最後」


黒尾「お？」


A「最後、告白されて オチたんです」





恥ずかしくて 顔を伏せる。





A「好きです、黒尾先輩」



黒尾「マジで？」





マジです、と小さく呟いて



黒尾先輩のカーディガンの裾を摘む。




A「お願いごと、聞いてくれますか？」


黒尾「…当たり前だよ、バーカ」






腕をぐい と引き寄せられて



気づけば黒尾先輩の胸の中。





黒尾「絶対幸せにしてやるからな」


A「厨二病ですか」


黒尾「空気読めよバカ」


A「バカですみませんね」





悪かったって、バカじゃねーよ



黒尾先輩は嬉しそうに笑うと





私の耳元に口を寄せて


あの時と同じ、低い声で囁く。






黒尾「これからもっと真っクロに染めてやるよ、A」

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