restaurant*ARS (ページ5)

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翔「…

俺、今日ここクビになっちゃって」

.

あまりにも唐突な言葉に

私は何を言えばいいのか分からなくて…

とっさに口が動いてしまっていた。

A「…こんなに素敵なお店で働けていたなんて

…凄く

羨ましいです」

これは

私の本音だった。

.

いままで…ココと比べて

どれだけ酷い世界にいたんだろうと。

どれだけ

辛い思いをしてきたのかと。

.

翔「…嬉しいお言葉」

そんなことを考えてる私に

櫻井さんは普通に接してくれて。

それだけでも、私の心は満たされていく。

.

今までに空いた心の隙間を満たしてくれるような

そんな…笑顔で

私と喋ってくれている。

.

.

どれくらい時間が経ったんだろう。

いつの間にかお客様は私一人。

私服に着替えた二宮さんが、私に声を掛けた。

.

和「ぁれ、…こんばんは」

A「…どうも」

俯きがちに返事をすると

翔「にの♪

今ね、仕事無い仲間で話してたんだ」

にの

って呼んでるんだ

なんて思いながら私はアイスティーを飲み干した。