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『涼、おはよ』







「A」







私を見つけた瞬間、笑顔で
名前を呼んでくれる






今日は2人でのデートで。







正直、涼が女の人と歩いている
その光景がまだ頭から消えないまま。






「じゃーん。」







『え?』







涼の手にあったのは
2枚のチケット。







「夢の国、2人で行きたかったんだよね」







『いきたい!』







「よかった」






"今日会ったとき元気なさそうだったから"
そう言って頭をポンポンと触ってくれる。







「じゃあ、はやくいこ」







涼に手を繋がれて
きゅ、と握ると、涼も握り返してくれる。






きっと、あれは気のせいで。
本当だとしたら、たまたま何かあっただけかも知れない。






そう自分に言い聞かせて。






.







『でも、びっくりした!』







「だから、俺にしては珍しく
待ち合わせ時間早くしたんだよ」







『そういうことか
そうだ、チケット代払うよ』






「大丈夫、Aの笑顔だけで
十分だよ」






『なにそれ、恥ずかしいんだけど』






「あは、照れてる照れてる」






電車を降りれば
夢の国への音楽が流れていて






自然といやなことなんて
忘れさせてくれるんだ。






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作者名:ちゅっきー | 作成日時:2019年7月8日 21時

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