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Soya
.
「さくちゃん」
「あ、がりさん。」
「どした?
首、赤いよ?」
はぁー。
とあからさまなため息を吐く。
放っておいてと言われるかと思えば
「ちょっと、付き合って」
と言われたから
なんだか色々と事情がありそう。
「いいよ」
2人で教室を出ようとすれば、
チラッと見えたAちゃんが
作ちゃんと同じで
虚ろな気がしたのは。
気のせい??
.
意外にも
話し合いの場所はさくちゃんの家
どうやら外では話しにくいらしい。
丁度作ちゃんの親も
家にいないようだった
「んで??
首は??誰につけられたの?」
「小鳥遊さん。」
「付き合ってんの?」
「いや。」
「なるほど」
要するにそういうことか。
今までの作ちゃんなら
絶対に考えられない。
それだけAちゃんが
作ちゃんにとって大きかったんだな
「まぁ、それはもういいんだけど」
"いや、良くないんだけど"
と自問自答する作ちゃん
「本題があるの??」
「涼さんが女の人と歩いてたんだよね
お祭りで。」
「あー、まじか。
たまたま会ったとかじゃないの??」
「浴衣着てた。女の方」
「そうか」
「てか多分、手繋いでたと思う。」
それをAちゃんに
いうべきか否か悩んでいるようで
「でも、まだ確証がないなら
言わないほうがいいんじゃない?
不安になっちゃうじゃん」
「そうだよね」
近くにあった枕を思いっきり
握りしめている作ちゃん。
「Aには俺と会うなって言ってるくせに
ムカつく」
その枕を
ベッドに叩きつけた姿を見て
「まあ、落ち着いて」
といえば
「無理」
と言った横顔と
そこについたキスマーク。
さて、どうしようか。
なんて
思い返すのは
"女に対してクズだし"
と言った井上さんの言葉だった
.
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作者名:ちゅっきー | 作成日時:2019年7月8日 21時