おまけのはなし ページ22
あの告白から数日経った。
この前、放課後Aちゃんがテニス部まで来て部の奴らに盛大に茶化されたりした
今日も彼女は学校終わりにテニス部まで来てくれて今は一緒に帰っている途中
「やっぱりせーちゃんはテニス上手いね〜」
「ふふ、ありがとう」
好きな人に褒められるのはいい気分だ
そういえば、
「ねぇAちゃん、この前みたいに精市、って呼んでよ」
「えっ、えー…ちょっとハードル高いかなー…」
「この前は普通に呼んだのに?」
「あれは勢いで…もうクセになってるからなぁ…」
彼女が俺を精市、と呼ぶことは本当にごく稀で確か…俺が受験合格して報告した時と、倒れたとき…
小学生のときからせーちゃん、なんだよなぁ
うーん、焦ったりしたとき…かな?
何か役を演じて…
「変なこと考えてないよね?」
「…大丈夫だよ。」
「間があったけど…」
「気のせい気のせい…さ、呼んでよ」
「えぇ…マジで…?」
俺は笑顔でうなずく
「…せーいち」
顔を覆うと彼女は驚いてこちらを見た
「なんで!?」
「俺の方も心の準備できてなかった…」
「…えぇ
なんか、フェアじゃないから私もA、って呼んでよ」
「ちゃん付でも変わらないだろ…」
「変わるよ!精市くんと精市の違いあるでしょ!」
まぁ、たしかに…?
「…A…?」
「ん、これからずっとそれでいいよ」
「いや…それはハードルが…」
「…せーちゃんも案外人のこと言えないよね」
きっとこの話題は当分続くだろう
まぁ、今も楽しいしそれでいいかな
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作者名:ソラ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月17日 12時