19話 ページ21
「言ったでしょ?忘れたくない、って」
少し経って俺たちは近くのベンチに座っている
まぁ、ほとんどAちゃんが俺を引っ張ってきたんだけど
「せーちゃんがどうかは知らないけど、私は昔からずっと好きだったよ」
Aちゃんがポツリ、と話し出した
「でも、きっと君はそんな風に思っていない。それを言えばもう前の関係には戻れない、ずっとそう考えてた」
「…俺もだよ、拒絶されるのが怖かった」
「そっか、私たち考えること似てるよね」
ふふ、と笑ってAちゃんは立ち上がった
「ね、あれって告白、でいいんだよね?」
彼女の目が俺を見つめる
「…うん」
「よかった、じゃあ、はい」
手を差し出される
「…?なに?」
「えぇ、鈍…ほら!」
彼女は俺の手を掴んでそのまま握りしめる
「え、えっ」
「もう!これくらいで恥ずかしがらないの!」
「そ、んなこと言われても」
「今日からこーいう関係になる、ってことだからね!!」
「うっ、」
「なんで私より恥ずかしがってんの…」
「いや、気持ちが伝わっただけで、ちょっと…」
ずっと頭の中が真っ白でなにも考えれない
「俺なんかでいいの…?」
「ちょ、そっちから告白してきたのに取り消しはいやだよ?!それに、私がせーちゃんがいいの!」
「…うん」
俺は立ち上がりその場でAちゃんを抱きしめた
「言っとくけど、俺独占欲強いから」
「上等!なんなら私の方が強いかもね」
「…好き…」
「私の方が好き」
「えぇ、そこは男に花持たせてよ」
「やだ」
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作者名:ソラ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月17日 12時