18話 ページ20
「楽しかった〜!」
もう太陽が沈みかけるいい時間
俺たちは植物園の中で最も大規模であろう花畑の前にいた
このままだといつものように1日が終わってしまうだろう
「…っ」
言葉が上手く出ない。
おかしいな、昼は気がついたら好きだと言っていたのに、
「せーちゃん、」
Aちゃんの声が俺の耳によく響いた
「…どうしたの?」
「うーん、なんて言えばいいかな…私の気持ちが言いたくて、」
…( 名前)ちゃんの気持ち、
「…俺も、Aちゃんに言いたいことがあるんだ、」
結局はずっと関係が壊れることが怖かった
俺の気持ちを伝えて、Aちゃんがもし拒絶したら…
…考えるのもいやだな
でも、言わなきゃ
「せーちゃん?」
「Aちゃん、俺の今から言うこと聞いてほしい」
辺りは静かで風の音が優しく響いている
「…貴女が好きです。」
…
…いや、気まずい
「ご、ごめんやっぱり忘れて、」
「夢、みたい」
Aちゃんの声が俺の言葉を遮る
…Aちゃんの顔を見れない
「…ゆ、夢?」
「うん、夢みたい。
これが本当は夢で目が覚めたらいつもと同じ日常、とかだったらどうしよう」
「それってどういう…」
「私もね、好き、大好きだよ。ずっと昔から」
…え、
「…え?え、
え…?」
言葉が出ない、頭の中が真っ白だ
「なんでそんなに困惑してるの?!告白してきたのせーちゃんの方だよね?!」
「いや、…だって、」
俺はその場に蹲って顔を覆う
きっと顔赤いんだろうなぁ
Aちゃんもしゃがんで顔を合わせてきて、
「と、とにかく!私だって精市のこと好きなの!」
「…精市って言った」
あー、俺今日死ぬのかな。
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作者名:ソラ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月17日 12時