オ サ ナ ナ ナ ジ ミ 。

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どうしてこんなことも考えつかなかったんだろう。

よくよく考えたら普通に有り得ることじゃん。

ユンジちゃんがダニエルを好きになるなんて予想できたことじゃん。


ベッドに仰向けで寝転がり、天井の一点を見つめながらそんなことを考える。


修学旅行は2ヶ月後。

どうしよう…あっという間だよ…。



私の"好き"は他の誰にも負けないと思ってたけど……


ライバルがあんなに可愛い子じゃ到底敵いそうにないや……




「Aちゃん協力してくれる？
ダニエル君にいろいろ聞いてほしいことがあるの」



私、断れなかった…


ダニエル、好きな子いるのかな…

どんな子がタイプなんだろう…


自分だって気になる。


あんな可愛い子に告白されたら受け入れちゃうのかな…



今まで頭の中に描いていた、ダニエルの隣で笑う自分。

徐々に自分だけがぼやけて、そこにユンジちゃんが浮かび上がってくる。



いてもたってもいられなくなった私はバルコニーへ出た。


ここ渡るの何年ぶりだろう。

外は暗いけど部屋の電気が丁度よく照らしてくれている。

足を滑らさないように気をつけながら向かいのバルコニーに渡り、目の前の窓を2回ノックしてみる。

すると中から驚いた声が聞こえ、ちょっとしてからロックが外される音も聞こえた。


「どした？」

私の方から来るなんて滅多にないから驚きながらも不思議そうな顔で聞いてくる大好きな人。



私、何しに来たんだろう。



ただダニエルに会いたかっただけ…




『ごめん……やっぱなんでもない』



回れ右をして自分の部屋へ戻ろうとすると



「おい、ちょ、待って」


『ん…？』



「えっと……あっそうだ、英語教えてよ」




私を引き止めてくれたこと。

私を必要としてくれてること。

嬉しさを感じつつも、どこか切ない気持ちになった。

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