オ サ ナ ナ ナ ジ ミ 。

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「Aちゃんお願い！」


まじですか…。


体育祭当日、登校して早々私の席に来た実行委員。

100m走に出るはずだった子が発熱で休んでしまい、代わりを探しているらしい。

私じゃなくても…って思ったけど、出場種目の前後関係で代われる子が限られてしまうそうだ。


『私、本当に足遅いよ？ビリになっちゃうかもしれない…。』


「いいよいいよ！気にしないで！
出てくれるだけでありがたいから！」


『…それなら…出てみるよ。』


「ほんと！？Aちゃんありがとう！」



断れる雰囲気でもないし、困った時はお互い様の精神で引き受けた。


ビリでもいいとは言われたものの、やっぱり最下位になるのはなるべく避けたい…。




「Aちゃん100m出るの？」


前の席で話を聞いていたのかジェファン君が振り返ってきた。


『やばいよー…。全校生徒の前で痴態を晒すかもしれない…。』


「ははっ、もしかしたら他の人の方がめちゃくちゃ遅いかもよ？
それでAちゃんが1着ってこともあるかもしれないじゃん。」


『そんなことあるかなー…。』


「どうにかなるって！もっとポジティブにいこ！」



ファイティンファイティーン！と元気づけてくれる。


そうだよね。私なにかとネガティブな方向へ考える癖があるようで、中学生の頃も友達に注意されたことがあった。


ジェファン君が言ってくれたように、もしかしたら…って考えたら少しだけ肩の力が抜けた気がする。


100m走の出番を確認しようとプログラムを開いた。


『…うそ……』



一番最初とか聞いてないよ…。

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