オ サ ナ ナ ナ ジ ミ 。

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今日の部活は通常とは異なり2年生だけでのミーティングで、学校を出る頃には19時を回っていた。



「最近この時間だともう暗いよな」


電車組の友達と別れて1人で歩いていると、後ろから声をかけられた。

誰なのかなんて振り返らなくてもわかる。

私の大好きな人。


『あーまた自転車だったの？』


隣に来て自転車を下りた彼は少しだけ不服そう。


「今学期初めてだし。今まで寝坊せずに来てたことを褒めてほしいくらいなんだけど」

『いや、それ当たり前だからね』

「なんだよー、カゴに荷物入れてってやろうと思ってたのに」


口を尖らせて未だ不満な面持ち。

そんなところを可愛く思ってしまった私は少し背伸びして彼の頭へ手を伸ばしていた。


『ダニエル君えらいねー』

「それはそれで馬鹿にされてるみたいじゃん」


そう言いながら目を細めて笑う。


なんか…


『犬みたい』

「なんだそれ」


そんな顔して笑わないでよ。

胸が締め付けられるような、きゅーって感覚がするんだ。




「そういえば来週の修学旅行、自由時間どこ行く予定？」

『私は古都散策でもしようかなーって』

「え！俺もその予定だった！」


それから家に着くまで続く修学旅行の話。


まさかダニエルが古都散策を選択するとは思ってなかったから、

もしかしたら一緒に回れるんじゃないかって

そんな期待が膨らんでいく。





彼の家より手前にある私の家の前で立ち止まる。



「じゃあな。なんか元気そうでよかった」


『えっ？』


「最近よく暗い顔してたからちょっと心配だっただけ。じゃあまた明日」


そう言って隣の家へ足を進める彼。


そんな些細なことに気づいてくれてたんだね。

私のこと心配してくれてたんだね。


嬉しくて、嬉しくて、愛しさが溢れてきて、
その広い背中に抱き着きたい衝動に駆られた。




好きだよ。


今ここで私が告白したら、どんな反応するのかな。

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