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待ちぼうけ ページ12
自分に、こんなにも集中力があったとは知らなかった
昼休みを終えてから自分でも驚くほどの集中力を発揮して、定時に仕事を終える
残業する同僚に白い目で見られながらも、カズのマンションへと急いだ
エントランスでカズの部屋を呼び出すが応答はない
まだ１７時３０分だ
当たり前か
あたしは、エントランスの隅に設置されたベンチに座り、カズが帰宅するのを待つことにした
．
．
．
どれくらい経っただろうか
何人もの住人に訝しげな視線を送られ身を小さくしていると、カズを乗せたバンが止まり、中からキャップを目深に被りイヤホンをしたカズが降りてきた
｢カズ！｣
カズは驚いた様子で一度だけあたしを見た後、真っ直ぐ前を向いて何も言わずにロックを解除し中に入っていく
やっぱり機嫌が悪い…
こういう時のカズは、声を掛けないで欲しいというオーラを出している
スタスタと歩いていくカズを見つめていると、気が付いたらオートロックのドアは既に閉まっていた
仕方ない…
今日は帰るか
時計の針は２３時を示している
まだ電車はある
結局カズと話も出来ないまま、あたしはマンションを後にした
．
．
駅に向かってトボトボと歩いていると、ふいに後ろから肩を叩かれる
？｢ねぇ｣
振り向くと、見たこともない男性がニヤニヤしながら立っていた
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：紗愛 | 作成日時：2011年8月20日 22時
